月に2、3度、所属している同好会の定例会に奥さんとそろって出席している。午後1時から3時半まで2時間半の会合。会の中ほどで、お茶の時間が入る。以前は、会費で買うペットボトルのお茶を紙コップに注いで出していたが、世話役を煩わせないため、近頃は各人がボトルを持参してくるようになった。
自販機で買った350ccのペットボトルを持ってくる人がいる一方、おしゃれな形をしたマイボトルを抱えてくる人が増えて来た。そのボトルといえば、冬には温かく夏には冷たいお茶が飲めるように魔法瓶である。
魔法瓶とは古式豊かな呼び名であるが、瓶が2重構造になっていて真空断熱となっている。私が持っているものといえば、何かの景品でもらったプラスチック製の単なるポット。断熱性がないばかりか蓋のシール構造が悪くて、横にしたときには内容物がこぼれ出て、今までに何度か失敗したこともある。
これではいけない。奥さんと最近の魔法瓶を買いに出かけた。あるある。形も大きさも色も、いろいろなものが並んでいた。瓶の材質は、昔はガラスであったが今はステンレスとなっていて、落としても割れる心配はない。
蓋も片手でワンタッチで開けることが出来るばかりか、そのまま口に当てて飲めるようにもなっている。これならいちいちコップに注ぐ必要もない。アウトドアにはもってこいのものとなっている。よく考えられた製品だと感心するが、その分値段も結構高い。悩んだあげく奥さんはピンク、私はブラック、容量360ccのものを買って帰った。
使ってみると、朝入れておいたお茶が夕方飲んでもまだ熱い。さすが魔法のような瓶だ。翌日から、毎朝、奥さんが魔法瓶に熱いお茶を入れてくれるようになった。今まではお茶を飲みたくなった時、気兼ねしながら「お~い、お茶」と、都度頼んでいたが、これからは飲みたいときにはすぐに飲めるようになった。
これでまたひとつ夫婦の会話が減ってしまったが、そんなことを知ってか知らずか、今朝も黒い魔法瓶が私の真ん前に黙って置いてある。「お~い」と言いかけて熱いお茶を自分で注いだ。ちと侘し。