写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

冬はつとめて

2020年02月04日 | 生活・ニュース

 今日2月4日は立春。「暦の上では今日から春になります」と、テレビで気象予報士のお姉さんが笑顔で伝えている。手帳を繰ってみると、この地方では一昨年の冬は少し雪が積もった日があった。昨年は2度ばかり北の空から風花が舞ったことを記録している。

 そしてこの冬である。風花どころか、冬だというのに花は花でも、桜やヒマワリが狂い咲きをしたとか。そんな暖冬で雪を見るようなことはなかったが、明日から遅まきながら強烈な寒波が押し寄せるという。

 早春賦の歌詞ではないが、立春を迎えてやっと「春は名のみの風の寒さや」と、冬の寒さを実感できそうである。四季それぞれの良い時間帯を清少納言が枕草子で書いている。

「春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて」というが、「つとめて」という言葉の意味が分からない。調べていると「はやい、つとに」という意味で、漢字では「夙めて」と書いて「早朝」の意味だという。凛とした早朝の冷たい空気なんぞ、温暖化した今の世の中では味わうことが出来なくなってきた。

 温暖化の取り組みは、日本を含む先進国が自ら範を示さなければいけないが、国民一人一人が何をすべきかを、法規制などで国がはっきりと示さなければいけない。日常生活で便利ばかり追求している国民が不便を耐える覚悟がいる。「お互い努力しましょう」という掛け声だけで済む時代ではなかろうと思う。