このところ立て続けに針金で襟飾りの針金自転車を作った。来訪した知人に「こんなものいる?」と言いながら作ったものを見せると、10人が10人「ちょうだい!」と言った。高価なものでもなく、その上形もいびつな手作りの飾りを喜んで受け取ってくれた。
そんなことに味をしめて、少し趣の異なるものを作ってみることにした。針金で作った自転車の飾りはいかにしても男ものである。今度は女ものの何かをと思って作ってみることにした。まずはコーラスグループに入っている姉のためにホルンに挑戦した。大きな円形で面白い形が胸飾りにいいのではないかと考えたからである。
ホルンとはカタツムリのような形状に巻かれた円錐状の金管楽器だ。ネットの画像でホルンを観察して紙にそれを写し取り、丁度よい大きさに形を決める。やおら針金とペンチを取り出して図面の通りに形を作っていくが、その前に、どこから始めれば一筆書きの要領で作り終えることが出来るかを考えておかなければいけない。これが結構難しい。
自転車を作るより小さく曲げる個所が多いのでホルンを作る方が難しく、時間もかかる。曲げ始めて30分が経った。初めての作品にしてはまあ納得の品が出来た。黒っぽい服に裏側からピンで止めて薄眼で眺めてみると、宝石店で買った品物のように見えなくもない。一丁上がりだ。
姉の所に持って行った。「わ~、すてき。ちょうだいね」と言ってその場で胸に飾った。なかなかいい。評判のいいことに気を良くしてホルンを2台作ってみたが、1台目ほどうまく作れない。1台目のものより、もっといいものを作ってみようと思い、少し形に凝ってみたのがいけなかったようだ。
今2台のホルンもどきが机の上に転がっているが、「これでもいいよ」と言うもの好きな女性がいたらプレゼントしようと思い、日夜少しずつ形を整えて理想の形に近付けているが、他人が見たとき、これがカタツムリ、いやホルンにみえるかな~。