写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

肉体労働

2011年05月24日 | 生活・ニュース

 夏場に向かって生えてくる雑草対策のため、つい先日、裏庭に黒いポリシートを敷き詰めた。これでこの夏はつらい草抜きをする必要もなく、ゆったりと庭の草花を眺めることが出来るという算段で過ごしていた。とは言いながら、この庭、昔とは違って、いつの間にやら道路より15cmばかり低地になってしまっている。水はけが悪く、雨が降ると水たまりができるという悩みがあった。

 そんな中、奥さんが知人からいい話を聞いて帰って来た。ある業者が山を削って真砂土をとりだしている。頼めばいくらでも分けてもらえるという。渡りに船だ。前々から、家でもこの話をしていたのだが、どこに頼めばいいか分からなくて、つい億劫になっていた。

 すぐにその業者に電話をすると、その日の午後には、2トンのダンプカーで運んでくれることに決まった。さあ、急に忙しくなってきた。張ったばかりのポリシートを急きょ全部取り除いた。その下に生えていた草は、日照不足のため、みんなモヤシのように青白くなっている。

 発注してから3時間後、早くも第1便が真っ白い真砂土を積んでやって来た。庭の一番奥へ下ろして帰った。それからが大変。奥さんと2人でショベルと1輪車を持ち出して、15cmくらいの厚さで広げていく。庭の広さから判断すると7車ぶんくらいが要りそうだと判断した。

 天気がよく暑い中、阿吽の呼吸で地上げ作業が続く。私がスコップで1輪車に土を乗せる。それを奥さんが運んでいく。ならすのは共同作業だ。そうしている内に、6台目、7台目と全てが運ばれてきた。庭が小さなピラミッドで埋め尽くされてしまった。その日は夕方7時に仕事を終えたが、ピラミッドは4つ残ったままであった。

 その日から1週間、夕方涼しくなってから作業をした。その結果、狭い庭一面は地上げが終わリ、それまでの黒い庭が、真っ白い明るい庭に変わった。昨夜、かなりの雨が降った。今朝起きて調べてみると水たまりの問題は解消されているが、私の腕と太ももに少々疲れがたまっている。