写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

定期塗装

2011年05月18日 | 木工・細工・DIY

 連休が明けた途端、1週間ばかり5月には似合わない大雨が降った。雨が降れば天気を、天気が続けば雨を願う勝手な私だが、このところ続いている五月晴れは気も心も晴れやかになる。
 それにつられて体調が良いせいか、はたまた庭に咲き始めた薔薇のせいか、家の内外の小さな仕事がはかどるようになった。小学生のころの通知表の行動記録に「勤労を尊ぶ」や「掃除を積極的に行う」欄の評価が「×」であったとは思えない働きぶりである。
 昨日は、水栓の金属みがきを完遂。奥さんから多大な評価をしてもらい、夕食には飲めない缶ビールを1缶全部おいしく飲みほした。
 
 さて今日は何をやろうかと家の周りを物色していると、サンデッキの汚れが目についた。ダイニングルームの外にあるデッキ。孫が来たときのバーベキューや、天気の良い日のティータイムに活躍してくれるお気に入りの場所である。
 汚れているだけではなく艶もなくなっており、ややわびしい状態だ。そういえばこのデッキ、家を建ててから2代目のもので、すでに12年が経っている。使用木材の材質はレッドシダーで耐久性はいいものだが、そうは言ってもきちんとメンテナンスをしてやらなければ長くは持たない。
 
 設置以来、毎年連休前後のこの時季に塗装をやってきたが、昨年はいろいろあってそれをさぼっていたことに気がついた。「よっし、今日はこれだ」。やる気になると、まず納戸に向かう。中は他人に見せられないほど雑然としているが、ここには必要なものは何でも入っている。まさにドラえもんの四次元ポケットのような納戸だ。
 
 前回塗装した残りや、他の目的で買ってきた塗料が3缶あった。それらを適当に混ぜ合わせ、新しい色を作ってエコ塗装をすることにした。デッキの掃除は奥さんが担当。それが終わると、やおら私の出番。
 今回はローラーを使っての省エネ塗装だ。刷毛に比べると手首が楽だ。「お父さん、塗るのが上手ねぇ」の声にほだされながら、30分で難なく終えた。濃いチョコレート色になった。光を反射して輝いている。「いい仕事をしていますねぇ」、誰も言ってくれないので自分で言ってみる。
 
 古くなってきた我が家では、家の仕事はやればいくらでもある。見て見ぬふりをしていたら、そのつけはいつか大きく跳ね返ってくる。先手必勝は分かっているが、いつもは後手必敗。今日はそれに歯止めをかけておいた。