俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

35年目の映画 、「 TATTOO [ 刺青 ] あり 」

2017年06月20日 17時13分41秒 | 時系列でご覧ください

20代の半ばから 30歳前後にかけて日本映画にとても近づいていた時期があった。
なにしろ基本金沢で公開される邦画はほぼ観ていたし、いろんな街で発刊される映画雑誌の関係者とも知り合い、そしてさまざまな監督の特集上映会も頻繁に行ない、さらにありがたいことに撮影現場にも何度か足を運ぶ機会にも恵まれたものだった。

そんな中、一番印象的だったのが八王子のロケにまでお邪魔させてもらった高橋伴明監督初の一般映画作品 「 TATTOO [ 刺青 ] あり 」 の撮影現場だった。

映画会社の撮影所が監督を育てるというシステムが制作本数減少とともに崩壊した中、若い才能の受け皿となっていたのがプログラムピクチュア的に当時大量に制作されていた「にっかつロマンポルノ」であり、さらに内容に制約の少なかった「ピンク映画」だった。



そう言った意味ではこうしたクレジットを見るにつけ、あの頃の時代性を感じると同時に、この作品は当時の「ピンク映画」というジャンルの才能が集結した映画だったんだなと改めて思う。



そして昨日、1982年の公開当時以来ほぼはじめて再見したところ、題材となった事件そのものは一切描かず、その背景を見事に描き切った脚本、伴明ならではのスタイリッシュな演出、恵子さんの美しさ、そして竜童さんの一世一代の好演ぶりと、見どころが多く、今観てもすぐれた作品だったんだなと大いに納得し、同時にいつの間にか過ぎた年月の移り変わりに 「 祭り 」 が終わった後の寂しさを感じてしまうのでありました。



そして余談ながらあの日現場に着いた途端、植木等さんが主人の電気店のシーンで伴明監督からいきなりエキストラ出演を促され、竜童さんと同じショットに収まったのも良い思い出だったりするのであります。





今日の1曲 “ ハッシャバイ・シーガル ”  :  宇崎竜童

渡辺美佐子が無人駅で一人佇むエンディングシーンで流れる知る人ぞ知る竜童さんの名曲。
「もっきりや」あたりでまた聴いてみたいものです。




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