俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「ダブリン上等!」 Intermission

2005年10月06日 00時59分36秒 | 時系列でご覧ください
イギリス映画「Dear フランキー」に続いて劇場公開では見逃してしまったアイルランド映画「ダブリン上等!」をようやく DVD で観た。

舞台はアイルランドの首都ダブリン。ただ首都といってもここで描かれているダブリンはまるで小さな地方都市みたいだ。
そしてそんな街のショッピングセンター内のお店でレジカウンター越しにコリン・ファレル扮するチンピラのレイフがカフェのウエイトレスに自分の人生設計を甘く語りかけるところから映画は始まる。

ところがこのチンピラ、いきなり彼女(ちなみに演じるのは「ダニー・ザ・ドッグ」のヒロイン、キリアン・マーフィ)の顔を思いっきり殴ってレジの金を盗んで逃走。そして流れてくるのがアイルランドが誇るロックバンド、U2の“ OUT OF CONTROL ”!!
さらにポップなタイトルバックが重なってと、否応無く期待感は高まる。

ところが、実はそこからはポップさは後ろに下がり、最近恋人と別れた思いがうまく言葉に出せないスーパーの従業員とか、性的に問題を抱えている彼の友人、あるいは産毛がどうしたって口ひげに見えてしまう男性不信の女の子、14年の結婚生活の後、勝手に若い女性と同棲を始める銀行の支店長、ケルト戦士の末裔を気取る強面の刑事、はたまためちゃくちゃ愛想が悪く舌打ちばかりしているレジのお姉ちゃんとか、ギネスをねだる足の不自由な爺さんとか、さまざまな人たちがどんどん出てきて、あたかも往年のR・アルトマン作品を彷彿してしまう群像劇に。

とにかくほぼ同時進行的に起こる数々のエピソード、それぞれがとてもうまく繋がっていて、さらに途中に例えば紅茶にブラウンソース(ブラウンソースでっせ!)を入れるシーンとか、スパンダーバレーの“ True ”が流れるダンスシーンみたいに、かなり可笑しいシーンもうまく配置されていて、人生を決して上手に生きてこなかった不器用な人たちの愛すべき生き方が、うまくまとめられていて、落ち着くところに落ち着くある意味無難な終わり方にもほのぼのと納得。

ちなみにエンディングで流れるクラッシュの名曲“ I FOUGHT THE LAW ”はコリン・ファレル自身が唄っている。
コチラに飛ぶとその微妙な歌いっぷりが聴けます。http://www.thefilmfactory.co.uk/intermission/intermission.html
それにしても全然駄目とはいえないけれど、邦題はちょっともったいない感が強いなぁ。

今日の1曲 “ Small Town Talk ” Bobby Charles

アイルランド映画ということでヴァン・モリソン、エンヤ、U2、を考えつつもタイトル繋がりで・・・。
50年代、数多くのR&Bの曲を作曲したボビー・チャールズ。さらに作詞家としてもランディ・ニューマンやロビー・ロバートソンらに多大な影響を与えたそんな彼が72年に自身名義で発表したアルバム『ボビー・チャールズ』に収められているこの曲を。
ザ・バンドのリック・ダンコや日本ではケイコ・リーたちがレパートリーに加えています。
とにかく彼とかジョン・サイモンとかが注目された時代は日本でも確かにありました。

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そんな邦題だったのか・・・ (cloud9)
2005-10-08 12:01:51
アイルランドにはちょっと思い入れがあるので、「ダブリン上等!」という題名に惹かれて記事を拝見しました。

その映画なら見たことある…けど、原題と全くかけ離れてますねぇ。誰がどの役をしたかもううろ覚えですが、私は上の写真でコリン・ファレルの下に写っているおっさんがいつもツボです。



返信する
そんな邦題だったのです (nikidasu)
2005-10-09 02:06:26
★cloud9さんへ



この邦題は、イメージ的にやはりかけ離れていますよね。

それはそうといかにもケルト魂いっぱいで、いかのもといったアイルランド人らしい刑事役をしていたケリー・コンドン、今回はじめてスクリーン上で出会いましたが、確かにインパクトはありました。



そしてその容貌からか、ちょっとだけ昔のジーン・ハックマンを思い出してしまいました。

返信する
TBさせていただきましたm(_ _)m (メル)
2005-11-11 17:57:11
初めまして♪TBさせていただきました♪

ほんとにそれぞれのエピソードが上手く繋がっていて

感心しました。

ほんと、おっしゃる通りケルト民族の誇り、ケルト魂の溢れた映画でしたね♪

音楽もほんとに良かったです♪
返信する

コメントを投稿