俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「ビフォア・サンセット」( Before Sunset )

2005年03月05日 15時32分14秒 | 時系列でご覧ください
「恋人までの距離<ディスタンス>」(原題:Before Sunrise)から9年。ブタペストからパリに向かう列車の中で運命的な出会いを果たしながら、たった一夜を過ごしたまま、離れ離れになった男女二人、ジェシーとセリーヌが、9年ぶりにパリで再会を果たすという前作のまったくの続編である「ビフォア・サンセット」。
主演は当然のことながら、前作同様、イーサン・ホークとジュリー・デルピー。そして監督も同じくリチャード・リンクレイター。

今回の作品と前作との相似点として、例えば二人で古い町並み(前作では、ウイーン、今回はパリ)を移動し続けるところ、とにかく会話会話会話と、二人は永遠と話し続けるところ、そして何よりも二人が一緒に過ごす時間が限られているところなどが挙げられる。
そして二人に残された時間といった点では、前作では14時間だったけれど、今回はジェーシーの飛行機が飛び立つまでのわずか85分。
実はこの「85分」という上映時間とほぼ同じ長さである時間設定が、とにかく秀逸だ。

つまり上映時間とドラマ上での経過時間がほぼ同じとなっているため、観ている側からも二人の心境、想いの移り変わりを同時体験させられているような気にさえなってくるのだ。

9年間という過ぎた時間の長さと、その中での共有していた思い出のそれぞれの仕舞い方を中心に会話がなされていくのだけど、主演の二人が監督とともに脚本作りに関わっていることもあって、その中の会話はあくまでも自然で、まったくあざとさを感じない。
例えば公園の件の話など、個人的に身につまされると言うか(なーんてね)、それはともかく他にも大いに納得させられる会話が数多く飛び出してきて、その完成度の高さには素直に感心させられた。

加えて今回は(前作で言えば占い師とか路上詩人みたいな)他の登場人物はほぼ登場せず、その分イーサン・ホークとジュリー・デルピー二人がずっと会話し続けるまさに会話劇として成り立たせているのだけど、そうすることによって恋愛映画として前作よりもさらに濃密な仕上がりとなっていて、とても刺激的だった。

それにしても今回、前作にも増して “ to be continue・・・ ” 的な終わり方をしていて、こういったエンディングをどう評価するかは難しいところだ。もしまた9年後ということであるとしたら、いささか不満感が残るぞ!

ジュリー・デルピーが弾き語りで歌う「愛のワルツを歌わせて」はとても良いだけに、ね。





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2 コメント

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次回は・・・ (ツボヤキ)
2005-03-08 03:25:43
どうなのでしょうね、2人がひじょうに個人的に濃密な関係になってしまっているので、もはや映画化は出来ないと思えていますが。

あ、最後の一言にお尋ねがきたんですが、覚えていらっしゃいますか?



「最後のセリフは「I know」といったんですか?」という質問でした。如何でしょうか。ご教授ヨロシクお願いします。
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はじめまして。 (アプリコ)
2005-03-18 01:41:38
ツボヤキさんのところから辿りました。

トム点ウェイツのライブを生で見た事があるお人と知りまして、

アプリコは羨ましスィ~限り。

全然関係ないですけど、思わずTBしてしまいました。

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