栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

11/19,20の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2016-11-21 15:24:50 | POG

■『ディープインパクト好配合リスト(203)』で望田潤が推奨したミッキーアイル(牡5歳)が日曜京都11RマイルCS(G1・芝1600m)を勝ちました。

◎ミッキーアイル(牡・母スターアイル)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103916/
キングレオポルドの姪。3代母ステラマドリッドは北米G1を4勝した一流馬でダイヤモンドビコーの母。DanzigやNureyevやAlydarやBusandaのパワーを受けた母は、現役時代は500キロ超の巨体を誇りダ1000mで2勝した。そこにディープのしなやかさが加わって、中山を力強く捲れる皐月賞向きの配合といえる。(望田)

■『ディープインパクト好配合リスト(206)』で望田潤と栗山求がダブル推奨したハナレイムーン(牝2歳)が日曜東京6R新馬戦(芝1600m)を勝ちました。

○ハナレイムーン(牝、ハウオリ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105608/
キロハナの全妹で、母母ノースフライトは安田記念やマイルCSに勝った女傑。母母はHyperion4・6・6×5、母父はNorthern Dancer4×4・6で、母はトニービンとSpecialとMill ReefとHornbeamを通じるナスペリオンのクロス。ディープインパクト×キングカメハメハはデニムアンドルビーと同じで、ああいう頑強な斬れ味を見せてほしい。(望田)

★ハナレイムーン(牝・母ハウオリ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105608/
一昨年推奨した全兄キロハナは、2戦2勝としてクラシック戦線に名乗りをあげた矢先、骨折が判明して3歳春を棒に振った。復帰後2戦し、再度骨折。素質は高いものの体質の弱さがある。母ハウオリは芝1600~2000mが守備範囲で準OPまで出世した。2代母ノースフライトは安田記念、マイルチャンピオンシップを制した名牝。「ディープ×キングカメハメハ」「父ディープ、2代母の父トニービン」はいずれも成功パターンで、配合的には文句なし。体質の弱さがなければおもしろい。(栗山)

■土曜東京11R東京スポーツ杯2歳S3着 ムーヴザワールド(ディープ・望田&栗山)
■日曜福島3R500万下 コートシャルマン(POG・望田)
■日曜京都7R500万下 エマノン(POG・望田)

ハナレイムーンは416キロの体重どおりのスリムな牝馬で、坂にさしかかったときにちょっとフワッとして、上がってから俄然斬れはじめて超スローを差し切り、やはりまだ非力なところはあるのですが素質だけで差し切りでした
ディープ産駒はHyperionに傾注した配合をすると、牝馬は小さく出てしまうことが多いのが難しいところで、そこがキロハナと比べると少し不満なのですが、好素材には違いないので今後の成長に期待したいし、もっとナスペリオン的に後駆の押し上げで斬れるようになればいいと思いますね

全姉エマノンをPOGで推奨したのにスワーヴリチャードをスルーしてしまったのは、ピラミマは好配合の名繁殖だけどNorthern Dancerの強いクロスは持たないので、ハーツクライとの配合だとちょっと完成遅めに出てしまうのかなあ…と姉を見て思ったから
スワーヴリチャードもまだまだ後駆に緩さが残る現状で(毎度スタートが悪いのも踏ん張って出れないから)、それだけに古馬になってどんな馬に完成するのかが楽しみですが、こういうタイプは3歳春にいったん停滞するのがハーツ産駒の成長曲線でもあります
だから東スポ杯は勝ち馬の強さは認めた上で、2,3着馬との差は完成度やキャリアの差でもあったかと

コメント (3)
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第33回マイルCS回顧~高速巡航で逃げ切り

2016-11-21 11:32:55 | 血統予想

京都11R マイルCS
◎13.ダコール
○9.サトノルパン
▲16.ミッキーアイル
△8.イスラボニータ
☆2.サトノアラジン
☆4.ロードクエスト
注7.フィエロ
注15.ネオリアリズム
土曜の京都芝は稍重といってもかなり良に近く、日曜は晴れるのでふつうに良予想でいいだろう。ミッキーアイルはスプリンターではないと書いてきたが、だからといって高松宮とスプリンターズを連戦した後のここでひょいと◎を打つのも違う気がする。サトノルパンもディープ×エリモピクシーだからスプリンターではないし、ミルコがマイルで一発狙いの乗り方をしてくれば面白いが、良ならばダコールにもチャンスがあるのではないかとずっと考えていて、前売りをみると全く人気がないし、どっちにしても難しいレースだからここから振り回してみたくなった。母アジアンミーティアはアンブライドルズソングの全妹でG1で格負けする血統ではないし、前駆のよさで走るフォームは平坦向き、もっといえば京都の下り向き。実際京都芝では[4-2-2-3]、2000m以下では[3-2-2-0]、ベストコースは京都外1800mと思っているが、京都外1600mでも捌き一つでベストパフォーマンスを出せる可能性はあるだろうし、ベストパフォーマンスを出せば食い込める余地のあるメンバーだとも思うのだ。

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マイルCSの馬券を買った後、レースを観るためにスタンドに移動しながら

「ミッキーアイルが勝ったらそれはそれで嬉しいけど、1200のG1を連戦した後、ここでアッサリ逃げ切るのは違うやろと」
「アンカツさんはそれがエエ言うてたで」
「でもな…モーリスにねじ伏せられてたやつらが、ここで順番回ってくるという結末もない気がするんよ」
「わかる、そこらはやっぱり2~4着やろな」
「そんなわけでダコールで振り回してみた」
「俺もダコール買うで。ダノンシャークとダコールの8歳馬券や(笑)」

ただ別路線組といっても、連勝中のヤングマンパワーは「競馬道Online」でも書いたように京都の下りでスピードが乗る走法ではないし(まして後方で馬群の中では、マイルドAureole魂だけに嫌気を出してしまう)、ネオリアリズムはトキオリアリティーの仔だけにマイル戦にも対応できそうな体型ではあるんですが、父がネオユニヴァースのぶんリアルスティールと比較すると大箱マイルの高速決着での適性は少し劣るし(だからミッキーを追いかけたムーアは馬の脚質をよく理解しているといえる)、「1/4サンデーサイレンス」だらけのマイルG1の予想はいつもいつも難しい

となると、またミッキーアイルで玉砕するのが望田らしい予想なんでしょうが、でも1200を使うのはどうなのかと言いつづけてきた私としては、GCの取材で担当厩務員さんが「乗ってても1200の馬じゃないと思うんですよ」と話されているのを見るとなおのこと、高松宮→スプリンターズ→マイルCSというローテに諸手を挙げて◎を打ちなくなかった

ミッキーアイルがいつもの好発から緩みないペースで逃げているのはわかったし、これなら位置取りの有利不利はあまりないので面白いマイルCSになりそうな予感があったんですが、ダコールは4角でも後ろから2番目でしかもぜんぜん脚がたまってない(^ ^;)

「さっさんこれはアカンわ…直線で何頭抜くかという手応えやわ」と前に目を移すと、浜中とムーアの火の出るような叩き合いが繰り広げられていました

イスラボニータはペースが流れたしカベもつくれたので好位で折り合いバッチリ、直線でもルメールらしい徐々にスピードに乗せていくアクションとイスラが伸ばすストライドとの呼吸がピッタリ、おそらく鞍上が思い描いたとおりの末脚の伸ばし方で前に襲いかかり、「うおおおイスラが勝つんかあああっ!」「ダノンきてる!ダノン!ダノン!」

今日のイスラボニータは久しぶりに手応え詐欺じゃなかったと思うので、そのあたりはMahmoudさんにぜひ完歩ピッチとってもらいたいですが、『サラブレ』での「ラッ血対談」で私とMahmoudさんが毎回ほめつづけてきたのがミッキーアイルでした

あの対談でMahmoudさんは一貫して「1200のG1では大して速くない」「もっと長い距離で高速巡航で逃げたほうがいい」と言いつづけてきましたが、今日のミッキーアイルが刻んだラップは57.5-35.6、タメすぎることなくケンカすることもなく、ミッキーアイルが気分よく走れるペースで1600mを走破させてみせましたが、見事な逃げだっただけに直線の斜行が残念だし後味が悪すぎる…

ミッキーアイルはこの世代のディープ産駒のPOGイチオシで、ディープインパクト牡駒の配合としてはベストに近いと今でも思っていますが、「中山記念でビュンビュン逃げる姿を見てみたい」とずっと書いてきた私としては、このペースで逃げ切ったのはほめてあげたいのだけど、ミソをつける形になってしまったのが残念でならないです

サトノアラジンがゴール前で受けた不利を考慮すれば、けっきょくイスラとサトノとフィエロとダノンが接戦の叩き合いというのはレベル的にはいつものマイルCS、いつものマイルG1だったというべきで、モーリスがいないとやっぱりこんな叩き合いになるのですね

ミッキーアイルの血統については、「競馬道Online」のスプリンターズSの有力馬解説より再掲します

ミッキーアイル
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103916/
ハーツクライなどと同じMy Bupersにさかのぼる名牝系で、母母アイルドフランスはミネルヴ賞(仏G3・芝2500m)の勝ち馬。3代母ステラマドリッドは北米G1を4勝した一流馬でダイヤモンドビコーの母。欧州マイル王としてならした母父ロックオブジブラルタルが強い体型だが、体質や脚捌きは父譲りでしなやかで無駄がない。運動神経が良く動きが俊敏なので短距離でも楽に先行できるが、1800mぐらいで平均的に速いペースを刻むようなレースを見てみたい、と思うのは筆者だけだろうか。ピュアスプリンターではないのに1200mのG1で2,3,4着だから、性能の高さは疑いようがないのだが。

先日キャロット会報のコラムを入稿したところですが(例年どおり12月号は「拡大版」です)、そこからも抜粋させてもらうと

<トキオリアリティーはMeadowlakeの娘らしい大型スプリンターだったが、そこにディープインパクトやキングカメハメハやネオユニヴァースといった中距離型種牡馬を配すると、「父中距離×母スプリンター」の配合形になり、先行力機動力に富む脚質になりやすい。
リアルインパクト然り、アイルラヴァゲイン然り、そしてネオリアリズム然りで、トキオリアリティーの仔は前々で立ち回ってこそ味があるというのが筆者の考えで、父ステイゴールドのレアリスタも後方から差しているうちはまだまだ完成途上の段階なのだろうと思う>

ミッキーアイルの母スターアイルもダ1000mで2勝をあげたパワースプリンターで、「父中距離×母スプリンター」の2頭が先行して叩き合うところを、「父マイラー×母マイラー」のイスラボニータの好位差しが切り裂いたという今年のマイルCSでした

コメント (20)
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