栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

第36回ジャパンC回顧~“和の逃げ”日本盃を制す

2016-11-28 12:07:31 | 血統予想

東京11R ジャパンC
◎4.ルージュバック
○12.サウンズオブアース
▲9.ディーマジェスティ
△1.キタサンブラック
×3.ゴールドアクター
×17.シュヴァルグラン
注5.イキートス
注7.ワンアンドオンリー
どうやら日曜も天気はギリギリもちそうで(夕方から降り出す予報)、前日予想では良馬場想定で結論を出してみた。昨年は「スローのJCは牝馬の斬れがモノを言うレース」と書いてショウナンパンドラを◎にしたが、今年も良馬場でキタサンの逃げならスローだろう。ならば◎ルージュバックでいってみたい。実績や能力は当時のパンドラと比較しても見劣るところはないし、秋天はミルコにマークされて外に持ち出せなかったのが敗因で力負けではない。多頭数の内枠で乗り難しさはあるが、この馬の性格を知り尽くしている戸崎はどこかで外に出してくるはずで、直線で一番外に出せれば昨年のパンドラぐらいは斬れると思う。サウンズオブアースは昨年はイン伸び馬場で外々を回らされて僅差だから、勝ち味に遅い馬だがラストインパクトやイラプトよりはこれを拾うことにする。

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「自らペースメイクしてもいいぐらいのつもりで、勝ちにいく競馬をする」とゴールドアクターに乗る吉田隼人はコメントしていましたが、好発からキタサンブラックが悠然とハナに立つと、そこに並びかけていったのがワンアンドオンリー
「おおおやっぱり田辺や!また田辺がユタカにちょっかい出しにきたんかあああっ!」

しかしそこからはキタサンが後続を少し離して逃げ、モニターで見ていても息が入ってて気分よく走っているのがわかるのですが、でも途中で田辺や隼人が捕まえにいけそうなポイントも、後続が一気にポジションを押し上げられるようなポイントも一切なかったというのは春天の逃げ切りと酷似していて、あと400mでもう「これは見事や…」と呻くしかなかった

Princely Gift的な前駆の駆動の良さで走る馬なので、京都や阪神では3角からの下りで後続を引き離しにかかるのが一つの必勝パターンなのですが、今日は東京ですからむしろ坂を上がってからの最後の1Fのストライドが圧巻で、ゴール前で後続に全く差を詰められていないので見た目に圧勝でした

以下「競馬道Online」の有力馬解説より再掲

キタサンブラック
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012102013/
母父スプリンターの先行型
ショウナンバッハの3/4弟で、アドマイヤフライトやオトメノイノリやシーズティジーなどが出るテイズリーの牝系。父ブラックタイドはディープインパクトの全兄だが弟のような鋭い斬れ味は伝えず、本馬をはじめマイネルフロスト、テイエムイナズマ、タガノエスプレッソ、コメートなど前々で粘着力を発揮する産駒が多い。本馬は母父がサクラバクシンオーで、この「父中距離馬×母父スプリンター」という配合形もフワッと先行する脚質になりがちだ。長距離G1を二つ勝ってはいるが、本質は先行流れ込み脚質の中距離馬とみるべきだろう。東京だと4角~直線で突き放しにかかる勝ちパターンに持ち込めるかが微妙だが、京都大賞典ではいつもよりスパートを遅らせ気味で、次のJCをにらんだかのような逃げ切りだった。

昨年は母系にPrincely Giftを引くディープインパクト産駒ショウナンパンドラがしなやかに斬れて差し切り、今年は父がディープインパクトの全兄ブラックタイドで母父がPrincely Gift系サクラバクシンオーのキタサンブラックの逃げ切りでした

2年つづけて最も日本的な配合馬が、最も日本的なしなやかさで走る中距離馬が日本盃(ジャパンC)を制したわけですが、世界の名手たちが集っても手も足も出ない、こんな凄い逃げ切りを演出できるのはユタカ・タケだけでしょう

サウンズオブアースは予想コメントにも書いたように、昨年5着はラストインパクトやイラプトより中身はあったし、同じぐらい走ったら馬券圏内は十分という読みはできました

しかしいつも書くようにこの馬は、ネオユニヴァース×Dixieland Bandという粘りと機動力に長けた血統なのにSecretariatのナスキロ柔さも受け継いでいてストライドでも走れてしまうという、だから東京でも中山内回りでも自由自在で相手ナリに好走するけれど、G1を勝ちきるだけの一芸を持ち合わせていないのでどこで走っても2着になってしまうという、ほんとにデビュー当時からずっと二兎を追いつづけて2着の山を築きつづけている愛すべきキャラです

そして長い距離では何でもできるサウンズオブアースに乗ったミルコは、道中はずっとルージュバックの外に張り付いていて、4角で諦めて内に突っ込んだのを確認した上で外に持ち出して追い出すという秋天のリアルスティールと全く同じレース運びで、またもこの才媛の末脚を封じ込めることに成功したのでした

外に馬がいると抜こうとしない弱点をまたもさらけ出してしまったルージュバックですが、でもミルコが毎回嫌がらせをしてくるのは、古馬のチャンピオン決定戦においてもその斬れ味は抜きん出ていると認識しているからでもあるでしょう

ムーアはリアルスティールを1800~2000mぐらいの馬だとみているようですが、それでも紆余曲折の末にJCでコンビを組むとなったら、そこをごまかして3着を拾いにいくようなことはせず、本命馬がスローで逃げるレースなのだから真っ向勝負で好位を取って勝ちにいった

それで最後甘くなったのだから、陣営も距離が長かったと納得の敗戦ではないかと思うし、これはこれでさすがムーアと言うべき騎乗やったと思いますね

イキートスは外国馬の中で唯一斬れる脚を使って好走、ドイツのレース映像や小柄で無駄肉のない体つきをみるとMill Reef的に斬れる中距離馬だとわかったのでブログでも少し触れておきましたが、もう少し馬場が渋れば掲示板までこれたかも(イキートスとリスグラシューは直線での斬れ方がMill Reef的でよく似ています)

最近では14年△アイヴァンホウ(12人気6着)、13年▲ドゥーナデン(13人気5着)と、私が外国馬に印を入れたときはだいたい人気よりは好走するし外国馬では最先着してます…というみみっちい自慢で締めておしまい(・∀・)

第35回ジャパンC回顧~“和の斬れ”日本盃を差し切る
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/c7e532168ef7158a211cfadb048d145f

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11/26,27の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2016-11-28 10:17:16 | POG

日曜はPOG推奨(「ディープ好配合リスト」と「パーフェクト種牡馬辞典」)のスパークルメノウのパドックを楽しみに家を出たんですが、西向日駅につくと改札に人だかりができていて、「西山天王山で人身事故 阪急京都線全て不通」の報が…

「たぶん復旧までに一時間以上かかると思います…」と駅員さんが言うのでタクシー会社に片っぱしから電話したんですが、阪急が全部止まってる状況ではどこも満車か電話つながらず、仕方ないので雨の中を国道171までてくてく歩いて、王将で昼飯食ってから国道沿いにしばらく佇んでたんですが予約済のタクシーが2台通っただけ

そこで阪急バスでJR長岡京駅まで行き京阪バスに乗り換えて淀駅まで辿り着くルートを選択、長岡京に着いたら一台だけタクシーを発見したのでそれで競馬場に駆けつけたんですが、もう新馬戦は終わってて、スパークルはカワキタエンカとのディープ対決にクビ差負けてました…
「う~むやっぱり重では母父クロフネか…」

ルールソヴァールは栗の一口ピック馬でフジキセキ×Deputy Ministerの砂黄金配合、前走は直線で3回ぐらい前が詰まり脚を余しまくってたのでここは頭からいってみたんですが、稍重なのでユタカのオールマンリバーを消しちゃったんですよね…

競馬場でヤンチャ馬券師と落ち合うと、まずは「W5何買った?」と答え合わせ

「ウェルカムは1点突破にしたわ」
「ナスノセイカンか…なるほど単勝ならこれ入れとかなアカンな」

と買い足したのが功を奏してW4、しかし最後に残ってたのがアースソニックとティーハーフで、これはまた最後2着で泣くパターンかなあ…と思ったらやはり3着、しかも同着で払い戻しも半分になって二人とも泣きながら帰りました(^ ^;)

夜は京都滞在最後の飲み(たぶん)ということで松原町界隈で深夜2時まで、久々に飲みつぶれてしまいましたが、布団に転がり込む前に飲んだミラクルエースが効いてます(・∀・)JC回顧は夜までには…

■土曜京都9R高雄特別 サラトガスピリット(POG・望田)
■土曜京都11RラジオNIKKEI杯京都2歳S2着 ヴァナヘイム(POG・望田)
■日曜京都4R障害オープン リヴゴーシュ(POG・望田)
■日曜東京8Rシャングリラ賞 ルールソヴァール(一口・栗山)
■日曜東京9Rオリエンタル賞 トーセンマタコイヤ(ディープ・栗山)
■日曜東京10RウェルカムS ナスノセイカン(POG・望田)

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