花と緑を追いかけて

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いっぱいの主婦の日記です

出光美術館・「陶磁の東西交流」展

2008年11月21日 | 美術館&史跡巡り
葛飾北斎の絵や浮世絵が、ゴッホやモネに影響を与えたお話は有名ですが・・・
日本の柿右衛門や古伊万里の陶磁器が、ドイツのマイセンやオランダのデルフト焼きにも一役買っている事はご存知でしょうか?
今、東京丸の内の「出光美術館」でこれらを並べて「陶磁器の東西交流」と銘打っての作品展が催されています。


「17~18世紀、華やかに開花した柿右衛門・古伊万里の日本の磁器芸術は、強い憧れを持ってヨーロッパの王侯・貴族に受け入れられ、その宮殿や生活文化を彩りました」(パンフレットより)


ヨーロッパの絵師たちは、日本の柿右衛門や古伊万里、そして中国の景徳鎮の模様などをトコトン模写することから学んだそうです。
写真右が江戸時代前期の柿右衛門「八角鉢」
写真左はドイツ18世紀のマイセン窯「八角鉢」
ソックリですね。

館内はすべてこのように対比して見られるように展示されています。
良く似ていながらもどこか違う面白味があるのが今回の催しです。
観音様がマリア様に見えたり、鼻の高い女性の顔に笑ってしまったり・・・
とても広げられそうもない「お扇子」も描かれていました

模写もそれぞれにお国柄が出るようで・・・
スペインやイタリアの陶磁器も日本や中国の影響を受けているのですが、こちらはこちらでラテン系の大らかさが感じられました



柿右衛門の赤は本当に美しいですね。
こちらは江戸前期の作品「色絵花鳥文八角共蓋壺」(重要文化財)



こちらは江戸中期の古伊万里の鉢ですが、絢爛豪華という言葉がピッタリです。
真ん中に描かれているのが「南蛮船」
東インド会社が、ヨーロッパの貴族達の柿右衛門や古伊万里の注文を斡旋し、運んだようです。

明治時代以降、日本は西洋に追いつけとばかりに頑張ってきましたが・・・
400年以上前には逆にヨーロッパの国々が先を争うかのように、日本や中国の文化を取り入れていたのです。
東洋の陶磁が憧憬の的だったのです。

一昨年に行ったブタペストでは「ヘレンド」のカップ&ソーサーを買った私。
スペインやイタリアでも絵皿を何枚も購入しました。
今度ドイツに行く機会があったら「憧れのマイセン」を買おう等とも思っていますが
「もっと自分の国の文化に誇りを持とう」と思わせてくれる展示内容でした。

それにしても最悪な画像のUPでお恥ずかしい限りです
日本の美術館はどこも撮影禁止
ヨーロッパの美術館は、フラッシュさえ焚かなければOKという所が多いのに



皇居前の帝劇ビルの9階にあるこの美術館は、眺めも素晴らしいのです
私はここのOGなので、こう綴ると宣伝みたいになりますが、何はともあれご覧下さい。
ガラス越しに写したのでピントがイマイチですが、正面には「桜田門」が見えています。



右手に目を移すと「武道館」方面が望めます。
ロビーにはお茶の設備も整っているので、友と二人で喉を潤しながら紅葉の綺麗な皇居の夕景に浸るのも良いものです。



桜田門の左手に見えている細長い建物は、TVのサスペンスドラマによく出てくるご存知「警視庁」・・・

そろそろ日が暮れてきました。
tomokoさん、今日一日美術館のハシゴに付きあって頂きありがとう。
今日は上野でも、ここ出光でも「オランダのデルフト」という地名に触れましたね。
叉声をかけますから一緒に出かけましょう。
やっぱり「都心」がご希望ですか?

尚、この回はコメント欄を閉じさせていただきます。
ご感想などは上の「フェルメール展」の方にお寄せ願います。
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