波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

達意の文

2011年01月24日 | 読書

Photo_6     「わたしの渡世日記」(高峰秀子著:文春文庫上下)読む。解説 の「文章の特徴は…他者を描くときの的確さと、自己を描くときの突き放した態度…人生を肯定する態度」(沢木耕太郎著)に納得。昭和を代表する映画俳優の凄まじい私生活以上に、「言いたいことを言いたいように書く」、書ける文章力に驚く。

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  文は人だ。「人間になるには、俳優になるには、『ものの心』を『人間の心』を知る努力をする以外に無い…簡単に言うなら『人の痛さがわかる人間』」が全編貫く。この品性、知性はどこから…と考えながら読んだ。

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 「『早く早く、早くしなけりゃ間にあわないじゃないか』」と心は焦っても、結婚はオヨメにいくのであって、オシッコにゆくのとは違う」なんていう文章に笑う。宣伝文句「人生の指南書」はその通りだが、優れた教師育成論だ。教師は俳優に近い職業と聞くが、やはりそうだったか思った。映画の記憶は無い。「二十四の瞳」がかすかに。昨年12月28日86歳でご逝去。

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