波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

「牧野富太郎 なぜ花は匂うか」読む。

2016年09月30日 | 読書

学校の時だったと思う。昔、マキノトミタロウという大変に偉い人がいた、貧乏に負けず、学校へも行かず、世界的に有名な研究者になった、という話を先生から聞いた。無性に嬉しかったのは、「小学校も卒業していないのに」というくだり。
                  
野 富太郎(1862年 - 1957年)「日本の植物学の父」。20代から東大の研究室に出入りし始め、そのうち助手になり、50歳から77歳まで講師。何度も出入り禁止の圧力あったが理学博士に。没後、文化勲章授与。地味な学問、学歴の無さ、13人の子沢山、極端な貧乏生活、そこに光。今が良いとは限らないな。
                
の本を手にしたきっかけも「なぜ花は匂うか」から始まり、「私は植物の愛人としてこの世に生まれてきたように」(植物と心中する男)と続く、全23話。巻末に5巻の選集を編集したとあった。全話が面白いのはそのせいもあるだろう。
 「バナナは皮を食う」(1949年 暮らしの手帳社刊)は、出版元の目の付け所も想像して楽しいが、種や実を食べていると思っていたら、あれは『皮』だという。捨てる皮が外果皮、食べるのが内果皮でそこにポツポツと黒いのが役に立たない種らしい。果実の役目を果たさない「変態果実」と書いてある。
               
ても読みやすい。理と情が溶けあう名文、一話一話に新鮮な驚き。「雑草」という植物は無い、人間の衣食住はすべて植物の贈り物、学問研究(科学)と日々の暮らし(生活)とものの見方・考え方(哲学)の関係が整然としてとても気持ち良い。極上のアイスクリームを惜し惜しみ匙ですくって味わった読後感。


 「雨の音。花が駄目になる」と夜遅く花壇に行ったママヨさん。濡れながら黄とピンクの薔薇を持って来て、真面目な顔で「雨でなくて雹(ひょう)だったわ。バラバラって降ってきたの。バラバラって」。※青空文庫の「牧野富太郎 自叙伝」→ こちらもとても面白い。この分野までカバーしている「青空文庫」に拍手

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【その283】男2人旅

2016年09月27日 | 【保管】一寸凡師コラム
 男2人旅10_2
 
 長男と2人でバイク旅。フェリーにバイクを積み込み、離島まで。小5の割に背が高い長男(167cm)。フェリーの受け付けで「バイクも載せ たい」と告げた所、「ハイ、わかりました。バイクは2台ですね」。この日の長男、荒馬さんから借りたフライトジャケットを着ている事もあり、見た目は大 人。(話せば小学生。ちなみに船の中で読もうと持ち込んだ本は、“ゴジラ図鑑”)間違われるのも無理はない。「バイクは1台で、同乗者は小学生で。あっ、 この子まだ小5なんです」と丁寧に訂正を。

 離島は、風があったものの、日差しも強く、バイク乗りにとっては心地よい気温。キラキラとした絶景を楽しむことができた。わずか数時間の滞在 だったが、ウニ、ホタテ、イカ、ハンバーグなどを堪能した長男。「やっぱり島は食べ物が美味いねぇ~」と一丁前に。次は家族4人で星空キャンプ。秋のキャ ンプを堪能したい。
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第125回/自分である証明

2016年09月25日 | 【保管】腹ペコ日記
 自分である証明

 必要な書類があり、その発行を申請したところ、戸籍抄本の提出を求められた。なんでも、結婚して名字が変わったため、腹ペコが本人であるという証明が必要と のこと。戸籍抄本は本籍地でしか発行できないため、義両親に頼んで受け取ってもらったのだが、証明書類ひとつ発行するだけなのに、なんだかえらく大事に なってしまった。
 
                      
 
 「自分であることを証明しなきゃいけないなんてめんどくさいね」と相方さんと。「戸籍抄本を出してもらうのだってただじゃない」ということは大人になってから知ったことのひとつだ。名字変更に伴い、この手のことがときどき起きる。

                                          
 
 「煩わしいのが嫌なら結婚しなければいい、結婚するからには覚悟が必要だ」と直接言われたことがある。仮に何がしかの「覚悟」は必要だとしても、結婚する上でしなきゃいけない「覚悟」はそういうことではないと思うのだけれど。
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波風食堂のテーブル

2016年09月23日 | 図工・調理

秋晴れ続き、外でテーブル(天板=厚さ50×幅720×長さ1500)作る。6人が座れる。先週、2つの小テーブルもでき、来春開店のメド立つ。雪降る前に完成したのが嬉しい。一昨年、古材(水産工場の梁5本)もらって喜んでいたが、作業場所もなく、大工道具も無く、木工技術は中学校で習っただけ、からの出発。やればできるもんだね。

 

転機は、一昨年のウッドデッキづくり。加えて、今春の木工作業コーナーと食堂スペースを設けたこと。小物なら雨天でも作業できるようになり、何より食堂のイメージが明確になった。ここにあれを、そこはこんなふうに…。
 今回のテーブル。重く厚い古材の扱い、足場板風の塗装、脚のデザインをずうっと考え続けてきた。ママヨさんは、「渋い」とほめてくれた。食堂空間のコンセプトが決まった。大人の『渋さ』だ(笑)


画像は全体像撮影のため、あえて外に。二人でやっと持てる重さ 公式裏ブログ「波風食堂、準備中です」更新しました。『宇多田ヒカル(33歳)』で。 

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「波風食堂、準備中です」更新しました。

2016年09月21日 | ご連絡

向こうのブログは南瓜 盲目の恋風晴れの休日は木工作業。波風食堂用の小テーブル2つ、あとは塗装作業だけ。天板と脚の組み方がちゃんとできて嬉しい  守るべき暮らしがなかったから戦争を止められなかった、「もう2度と戦争を起こさないために『暮らし』を大切にする世の中に」(「『暮らしの手帳』初代編集長 花森安治」:暮らしの手帳社)。ペンの力、デザインの力、「専門家とは何か」を思う鶴見俊輔さんの「芸術とは楽しい記号」、『限界芸術論。花森安治さんの仕事はこの点からはどう評価されるのか…。暮らしの「美学」とは…。

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