波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

【その75】 端っこ

2012年08月30日 | 【保管】一寸凡師コラム
Photo  凡師もいよいよ立ち上がる日が来た。頭の中はガンダムのテーマ「立ち上がれ~、91 立ち上がれ~、立ち上が~れ~、ガンダム!」が鳴り響いている。いよいよ今週末、晴れて40代に突入する凡師。30代の「端っこ」にいる今、凡師はこの文章を書いている。凡師にとって文章を書くこととは、思考を整理すること。自身を振り返り、一週間頭に貯まった情報や思考を整理する場が隙間コラム。30代の端っこで、いつもより深く思考を整理できたことはとても感慨深い。

   次週は40代初の隙間コラム。鋭い視点、カミソリのような切れ味、スキップを踏むような軽快なリズム・・・。迷いのない40代の初心者として、フレッシュさを表現したい。
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上野千鶴子著「おひとりさまの老後」

2012年08月25日 | 読書

Photo_2 Photo_3おひとりさまの老後」(上野千鶴子著:文春文庫)読んだ。通販アマゾンでは、「一般庶民とかけ離れたエリート」「老後生活に役立たない」と多くがさんざんの感想。立男は、誰にも来る「おひとり」恐るに足らずの気高さ感じた。さすがだ。
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 家のローン、親の介護、子どもの将来、健康…まるで見通しが立たないが、なるようにしかならないという真理と覚悟だけ頼りの波風家。こういう誇り高い老後生活もあるんだなあ、と感心した。人は人、自分は自分だ。TVのグルメ番組や旅番組は嫌いで無いが、旅行に行きたいと思わないし、知らない店で食事なんかしたくない。それに似た、嫌なら消せば良い「老後」番組みたいな一冊。

遠慮も容赦も無いママヨさんの「ありのまま」の実直な性格を反映した右上のイラスト。本書読みつつ、うたた寝していたら… 昨日、愛媛新居浜「はつらつ媛(ひめ)」(生涯学習講座/健康体操)の踊り見た。原型に近い純正ソーランをアンコールで2回。平均年齢72歳の体育系39人〈熟練の舞〉…「おひとりさま~」にはない楽しさ豊かさ。語る前に動くべし…。

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【その74】 メダルラッシュ

2012年08月23日 | 【保管】一寸凡師コラム

メダルラッシュに凡師ファミリーも沸いた。Photo

 帰省中、買い物ついでに息子と立ち寄ったショッピングモールのゲーセン。100円をメダルに交換し、「メダル崩し(メダルを投入して山を崩し、メダルを集めるゲーム)」へ。こう見えてもメダル崩しにはちょっとうるさい。iphoneにもメダル崩しのアプリが入っているほど。「いいか、上の台が後ろ74_2 だ!」と再度ウンチクをたれる凡師をあざ笑うかのように、ガチャンガチャンとたくさん落ちてくるメダル。オリンピックで日本が獲得したメダル数を大きく上回るメダルに、凡師ファミリーは沸いた。

「メダル崩しにコツは存在しない。存在するのは生き方だけである。」

そんな名言が頭に浮かんだのは、息子より先にメダルが底をついた時だった。

先生のつぶやき」(8/18朝日道内版:テーマ「宿題」)の「中学校 男 39歳」はきっと凡師さんだ。人生はなかなか大変だが、こんな楽しい過ごし方がある、「生きる力」はそんなものではないのかな…とさらり文字にする奥ゆかしさが今回も…。

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小説「トガニ」を読んで(下)

2012年08月21日 | 読書

Photo_9 …(前回から続く)
説「トガニ 幼き瞳の告発」(孔枝泳著、Photo_3 蓮池薫訳:新潮社)は、人間が人間として存在できる条件、人間信頼の根本を問い続ける。学校も、教育委員会も、教会も、警察も。「あってはならないこと」を「あってもないこと」にしてしまう体制的な恐ろしさに、今の「いじめ」問題が重なる。小説は、一筋の光明を投げかけて終わる。主人公が、相手側弁護士から過去の過ちを暴露され学校を去る弱点にリアリティーを感じ、仲間から温かい言葉がかけられ救われる。

者の「人生について多くのことを知れば知るほど、人間に対する愛着が冷め…、愛着が冷めれば冷めるほど、人間に対する畏敬のようなものが共存していく」【作者の言葉】という言葉が、この本の読後感でもある。訳者の「(作者は)『変わりたくない』『良心を守り続けたい』という当たり前の思いを持つ人たちが、家族や生活という状況で、悪に目をつぶらず、自分にできることをする。それがひとつに集まれば、社会の大きな不条理に対抗していけるという」【訳者あとがき】言葉も、説明するまでもなく深い。…終わり…

韓国で昨年10月成立の障害者女性や13歳未満児童に対する性犯罪の改正法は「トガニ法」と呼ばれ、小説が社会を動かした。社会の矛盾に対する作家の精神と覚悟の持続、文学の可能性とマスコミの責任、作家を支持する広範な読者の存在…では日本の民主主義の成熟度は?画像は、今年は全く手入れできなかった庭に咲いた紫陽花。本文とは関係なし。前回の赤い花と対のつもりで新聞小説「沈黙の町で」が先月終了し、朝がつまらない。重くリアルな主題、終わり方のあっけなさ、印象的な挿絵のせい…かな。「トガニ」と比べたりもして。

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小説「トガニ」を読んで(上)

2012年08月19日 | 読書

Photo_2どい霧の街、聴覚障害児学校、赴任した主人公が子どPhoto_13 もたちへ。この小説を象徴する詩を黒板に。

        暗闇のなか、三本のマッチを擦る
        最初のマッチはおまえの顔を見るために
        二本目はおまえの目を見るために
          最後のマッチはおまえの口を見るために
          そして迫りくる大きな暗闇を前に
          おまえを両腕に抱き、そのすべてを記憶するために

          (ジャック・プロヴェール「夜のパリ」から)

象的な文脈が3つあった。
     「ここの先生は片目でわたしたちを、片目でほかのものを見ている…(しかし)あの詩…心の中にパッと明るい光が…先生の両方の目がわたしたちのクラス見ているように感じた」【子ども】。 「世の中を変えたいなんて気持ちは…もう捨てた。ただ、自分が変えられないようにするために戦っている」【人権運動センターの友人】。裁判が終わり、事件が起きる前と起きた後で一番変わったのは何かという質問に、「ぼくたちもみんなと同じように大事な存在なんだと気づいた」【子ども】 …次回へ続く…

読むぞ、読むぞと予告し(笑)昨日の朝2時まで、一気呵成に。推理小説的な展開、人間描写の巧さ、先生と子どもたちの胸打つ心理描写が、非人間的状況の中であっても一筋の光明を予感。今回の記事を、通販アマゾンのカスタマプレビューに掲載 昨夜、13年前の卒業記念タイムカプセルを開ける集まり。28歳を中心に、小中併置校の当時の後輩や先生たち30人近い思い出深い方々が遠くから。嬉しく楽しかったイラスト「赤いバラ」は、28年前の卒業生の親から。本文と関係は全然ありません。

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