独身生活も3週間を過ぎ、家事と読書で日が暮れる。外歩きは雪がもっとしまらなければ危ない。カジトモ(=家事を交流する同じ境遇の友)と作ったご飯食べながら、若い頃に読んだという大江健三郎、難解なアニメ『君たちはどう生きるのか』について話しする。もちろん、老人定番の血圧や体脂肪や持病、家族、終の棲家などの話題も。楽しかった。
老人と周囲の「老い」のイメージをもとに、押しつけも慰めもないリアルなアドバイスに好感、『人はどう老いるのか』(久坂部羊著:講談社現代新書)だ。天はいつまでも若い人を造らず、いつまでも死なない人を造らずで始まる。幾つも立ち止まる箇所あるが、なぜ高齢者は昔ほど尊敬されないのかの要約をひとくさり。
目をそむけたくなる認知症、高齢者鬱、排せつが淡々と語られ、オイルショックの中で以下に続く。
【歳とって人格者になれるのはせいぜい70歳前後まで。長い経験から、無駄や無用を知り精神的な余裕と自制心が培われ周囲には人格者に映る。昔はそのくらいで亡くなったが、今はそれから20年ほど生きて心身ともに衰え尊敬を集められない。若者に敬老精神を養うには、高齢者自身が尊敬に値する存在にならなければならない。その方法は、自らの老い、苦痛、不如意を受け入れ、栄誉や利得を捨て、怒らず、威張らず、自慢せず、若者に道を譲り、運命に逆らわない心の余裕を持つこと。これ難しいが、むずかしいからこそ尊敬を呼び覚ます】
実にごもっともな結論。だが、不治の病や大小便の失敗を受け入れられる自分になれるかどうかは、波風氏の本質的な人間性、運と偶然と周囲の支え(これ定年退職できた時の感慨)だね。
カジトモと、1回目は鍋焼きうどん(白菜、椎茸、エノキだけ、人参、掻き揚げ、板かま、温泉玉子)。2回目は寿司(握り、チラシ、巻きの講習兼ねて)と煮た南瓜。いずれも食べすぎ(涙)少し読み、これは面白い、『ナチスは「良いこと」もしたのか?』(小野寺拓也、田野大輔著:岩波ブックレット)。世の常識みたく、何でも良い面と悪い面があると語る人多いがナチス問題超え、ものごとや人の評価のあり方を考える両書の予感政権与党の大嘘がバレ始めたがこれがどう誤魔化されるのか、庶民はやっぱり騙され続けるのか。