波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

辰年の年賀状  №9

2012年01月29日 | 新聞掲載

 家の年賀状を初めて書いたのは小学校6年生の時だ。「子どもの俺でいいのかな」と思ったがPhoto 、年末の母は内職で忙しく、妹は幼すぎて、やっぱりやるしかないと決意した。絵が少し得意だったこともあった。もの心つく前に亡くなった父に代わり、一家を支える長男の自覚を中学校入学前に促される機会だったような感じがする。

     この年賀状のことを忘れられないのは、描いた龍がとんでもなく下手だったからだ。色鉛筆で描いて気に入らず上から墨でなぞり余計にひどくした。それではと気分を変えて描いた竜の落とし子は、何が描かれているのかさえわからない。ちゃぶ台で格闘している私に、母が後ろから「何だか、おもしろいね」と言ってくれた。
 正月の新聞には、干支のイラストが満載だ。プロだから上手いにきまっている。これと家に来た印刷の年賀状が、「絵だけはうまい」はずの私のプライドを年始めからへこませ続けた。ただ、どの親戚も、例年より少し多めのお年玉とともに、「晃ちゃん、立派な年賀状だね」と口裏を合わせたように励ましてくれた。

    この年から、家の年賀状を描き続けている。あれから4度目の辰年の今年、3月末で定年退職と書き添えた。それにしても、あの最初の年賀状に書いた「謹賀新年」に私はどんな気持ちを込めたのだろう。【平成24年1月23日 北海道新聞朝刊掲載】


…………………………………………………………………………………………………………………………………………………2年目に入る40日毎掲載の新聞コラム、今年最初の550字。次の3月4日掲載が現職最後分。さて、何を書くか…。

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ローマの孤独

2012年01月27日 | 日記・エッセイ・コラム

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 しばらくして、「ウナギでなくてウサギだったわ。老眼っていやね。はははっ」と一言。ローマの孤独みたいな哀愁を帯びたママヨさんの…老婆の誤読。これ読みませんように…。

画像は、波風家が今年から多用する「へへっ」の消印デザイン。だからどうした?という感じだが何となく面白い。マーク内の数字「6083」は「60歳万歳」だよ。この焼き印が欲しいなあ(笑)

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【その44】 朝の事業仕分け

2012年01月26日 | 【保管】一寸凡師コラム

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  朝4時のティータイム。凡師はコーヒーよりもだんぜん「お茶派」。朝の目覚めは、湯飲みの上でティーパックを上下する「手首の運動」から始まる。朝一番の味覚というのは案外適当なもので、味はほとんどわからない。湯飲みに入っている液体の「色」とメガネを曇らせながら湯気をフーッとやった時の「香り」で判断する。冷えた朝などは、2杯目・3杯目と飲むこともあるが、少しずつ味を感じるようになるのがわかる。まさに、「寝惚け眼」ならぬ「寝惚け舌」。

    「1杯目はお湯でもいいのではないか? 家計にも優しいし・・・。切迫する家計を救うのは、きっとこういう『小さな見直し』なのだ。Photo


    そんなことを3杯目の紅茶をすすりながら考えた。

    パリッパリッと「ポテチ」と「柿の種」を食べながら…。

    他に見直すところがあるような感じがするのは、気のせいだろうか…

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凡師のつぶやき(参観日編)

2012年01月24日 | 【保管】一寸凡師コラム

Photo_3 朝日新聞月1回の「先生のつぶやき」も早10回目。我が凡師さん、8回連続掲載の快挙、やったね。今回も冴えている。「中学校 男 39歳」の正体をこのブログの住人だけが知っているのは何だか嬉しい。

1月23日(月)夜、BSで「かもめ食堂」。退職後に食堂開店もくろむ君の胸中はこんなんではないのですか?と優しく問いかけてくる。前から見たかった、そして期待通りだった。通常生活リズムの8時就寝が10時50分になった。
     役者と脚本が味わい深い。センスがおしゃれ。小林聡美、片桐はいり、もたいまさこだもの。群よう子読み笑い転げていたのも15年一昔前。

「ALWAYS 三丁目の夕日」の宅間先生(三浦友和)、たばこ屋のキンさん(もたいまさこ)は、間違いなく老年、元気良い。二人の俳優は立男と同じ1952年生で今年還暦。老け役ではないようだ。ということは…世間で60歳は…こんなふうに表現されるお年寄りなんだ。席を譲られたり、「おじいちゃん、お元気ですね」なんて声をかけられる直前ぐらいの感じ?何だか面白そうな年代だ。

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大寒の土曜に

2012年01月22日 | 日記・エッセイ・コラム

Photo_4   「夕焼けの詩 三丁目の夕日」(西岸良平作)は、「カムイ伝 1部21巻」(白戸三平作)と一緒に、就職した昭和49年にやっと買えた。今も連載継続中、この国もなかなかのものだ。                    Photo_2                                                                                                                                                     
 3部作完結で映画は今回で終了らしい。「男はつらいよ」後、「釣りバカ日誌」も終了し、TV「北の国から」も「白線流し」も随分前だ。働くかっこよさ、夢を持つ大切さ、人の温もりを安心して見られるドラマが今少なすぎる。業界や映画通にこの映画の評価は低いそうだが変な話だ、だがよくある話だ。この映画で立男は3回映画館に通い笑って泣いた。駄目かい?

※画像はクリックで動画に。映画館のギャラリーでガラスケースのダイハツ・ミゼットを欲しそうに眺めていたのだろう、ママヨさんが買ってくれた(^o^)退官記念?大寒記念?「とんま天狗」(大村崑主演、ダイハツ工業)の頃を思い出していたのだ。

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