絵本「100万回生きたねこ」(作絵 佐野洋子:講談社)。「死 ぬ気まんまん」を読み、真面目にこの大ベストセラー絵本を読み返した。初版が昭和52年。「ねこは もう、けっして 生きかえりませんでした」という終わり方に絶句した。「死ぬ気…」に満ちる姿勢がここにあったからだ。絵本で表現された人生観を裏切らない大往生だったんだ。
だれよりも自分がすきで、どんな飼い主もきらいだったからその飼い主が亡くなっても泣かなかった100万回生きたねこ。白いねこといっしょになり、子どもを育て、白いねこがなくなった時に100万回泣いたねこ。いつまでも白いねこと暮らしたいと思っていたねこ…生きる喜びとは自分以外のひとを好きになること、いっしょに生きること、自分を愛してくれたすべての人たちのことをわかること…それが未練無く死ねることを絵本で表現している凄さ。「死ねてよかった」と心底思う読後感、不思議な深い絵本。
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日曜にM中の運動会。気温7度、昨年は5度。思い出すと、M中の運動会はたいてい寒いか雨だった。生徒は一生懸命だった。驚くのは動画サイトで、リレーもソーランもその日のうちに全世界に発信されていること…便利だが怖い。
今日の朝刊、朝日も道新も1面トップは、原発事故検証の国会事故調査委報告。「プロメテウスの罠」で感じた気味悪さを思い出しつつ…菅氏談「原子力ムラ解体が原子力行政の抜本改革の第一歩」「最も安全な原発は、脱原発」にも、責任なすりあいのもどかしさ、何を今更の感じ…。