波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

腹ペコ日記(残り4回)

2017年02月20日 | 【保管】腹ペコ日記

自己肯定観1(第146回)

 先日、憲法の授業で映画「誰も知らない」を見た。親になってみて、改めて気づくことがたくさんあった。特に目をひいたのは、引っ越しの際に、子どもたちがおもちゃを片づけている場面。「母親一人の給料で、こんなにたくさんおもちゃや絵本を与えていたのか」と衝撃を受けた。母の子どもたちに対する愛情が、こういう形で描かれていたのだ。
                    

 学生が感想で、「この母親の一番の問題は、子どもを育てる能力と覚悟がなかったことじゃなくて、育てられない自分をうけとめ、まわりに助けを求められなかったことじゃないか」と書いてくれた。そう読み取ってくれたことを嬉しく思った。                    

 この国の特性か時代状況の反映か、その立場になった瞬間から完璧を求められる傾向がどこかにある。自分に対しても完璧を求めがちだ。でも、そんなの無理だ。「できない自分」を認め、その「できない分」を頼れる他者を見つけることが「自立」にはきっと必要で、その意味で「自立と共生」はセットなのだと思う。つまり、「共生」という環境があるから、「自立」っぽく見える、という関係性だ。(続)

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1 コメント

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Unknown (波風立男)
2017-02-20 18:10:28
現政権は、家庭や家族の責任をことさら強調し、あるべき家庭像、母親像を押し付け、教育基本法の改正まで行った。今国会に「家庭教育法案」なるものまで提出する話だ。子育て環境整備の無責任さが全く顧みられない中で。腹ペコ母さんが言うように、自立とは困ったことを相談でき、相談に乗れる人間的な関係性である「共生」が最も大事な特徴だと思う。そんなことを、前回と今回のブログで考えさせられた。
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