波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

今が一番良い時

2023年06月30日 | 日記・エッセイ・コラム

ずうっと
「今が一番良い時だ」と思ってきた。明日どうなるかはわからないが、やっぱり今日と同じことを思うはずだから良い日に違いない。悲しかったり辛かったりは人並みだが、そういう時には「今が一番苦しい時」なんて思う余裕はないし、「今が良い時かなあ?」なんて馬鹿なことは考えない。「今は・・・」と思うとき、というか思える時は「一番良い時」以外に無い。「一番」というのは、昔が今より良かったと思わないし、目の前の面白いことにすぐ熱中するたちだし、感受性大なので😄ちょっと楽しいことはいつでも一番。
少し早すぎるが目覚め良い朝、美味しいトーストと珈琲、楽しんで見る今日の大谷さんと録画TV、朝露に濡れた畑の花や野菜、美味しい昼食、気持ち良い昼寝、晴れたら畑か木工、雨なら読書か絵を描く、美味しい夜食、勝ち負け半々の日ハム戦、仕方が無く入る風呂、あー面白かったと布団に入る21~22時頃。確信する、今が一番良い時だ。

今日より明日の方がもっと良いとは思わない。それは願い過ぎ。明日、何かとんでもないことが起きるかも知れないがそれはそれで、時間が経って何とかなったら(今まで相当に困ったことがあってもたいていのことは何とかなってきたから次もそうだろう、たぶん)、その時には大きく深呼吸して、「今がやっぱり一番良い時だ」と思える人生だったら素適だな。
そのコツは(笑)、なんと言っても「楽しく暮らす」こと。そのための人生なんだから。少し前から、理性と感情のバランスをとれるようになりたいと念じていたが、健康な身体があってこそだと少しわかってきた。波風氏の短所、短気は簡単に治らないし死ぬまで無理だと思っているが、それでママヨさん以外には誰かを傷つけたり困らせたりはしていないから(たぶん)、その分思いやりの心が拡大すれば帳消しだ、何て思う。古希迎え少し自分の改造も考えたりする。
曇って寒い陰気な日の夕方に、こんなふうに人生を思えるのだからやっぱり今が一番良い時。


9回2アウト負け試合の場面で出た大谷さんの29号HR。打ってくれないかなあ、だけど無理だよなあ、疲れているよなあ・・・・・なんて思って息を詰めて見ていたら、マサカというかサスガというか・・・・毎日の活力源だね 画像は雨に濡れる花壇入り口付近。適当に切って不安だった紫陽花に沢山の花芽が。去年も適当にやって何とかなった。

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野見山暁治さん逝く

2023年06月26日 | 日記・エッセイ・コラム

野見山暁治さんが22日に102歳で亡くなった。
画集や画像の絵はさっぱりわからない。だが、形や色や線は全部初めて見るものばかりで、本物を見たらきっと圧倒される。ポケットから富士山を出すことはできないけれど、その存在感を描くのが絵だ、というこの画家の言葉を思い出す。あまたの業績は検索したら一杯出てくるし、新聞やテレビも特集を組むだろうから略。

 

絵と違い言葉はわかりやすい。伸び伸びした精神が紡ぐ優しく鋭く豊かな言葉。家にあるエッセーは全て持ち出し禁止。名高い『四百字のデッサン』、妻との別離を描く『パリ・キュリイー病院』、画論・画家論『空のかたち』、老いの中で思い出す女性『とこしえの(記憶の中の人)お嬢さん』、『野見山暁治 絵とことば』、選りすぐりの言葉による『のこす言葉 野見山暁治 人はどこまでいけるか』。ゆっくり再読してみよう。高峰秀子さんと野見山暁治さんの2人が小説家ではない達人エッセイストの双璧だろう。

 

ールの大きさが日本の画家のイメージと桁が違う。一番は「何を描いたかわからない」絵だが、暮らし方も、人間関係も、画家の社会的使命も、文章表現も、あらゆるものが想像を超える。嘘と本物を見抜くというか、その目が美を捉えそれを表現する才能を思うと同時に、それを良しとする日本という国もそれほど悪くは無いのではないかと思ってしまう。
いやー本物を見たい。死ぬまでに一度、人の評価や絵の値段に全く拘束されずに描き続けた画家に触れたいなあ。最も高齢で、高名で、戦争反対と平和の尊さをはっきりと発言し生き方にもした画家の絵を。それにしても、大江健三郎氏、坂本龍一氏、が亡くなる今年だ。


画像は東京近代美術館蔵『岩上の人』(1958年)。この頃は、未だわかりやすい(笑)。この画家の画集や文章を読むと、絵を職業にする画家にはなれても本物の画家にはめったになれるものではないなあと思う昨日、波風食堂で読書交流会。神様と話が出来るという著者の本が登場。こういうのが出回っている今の困難さの時代を思う。

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東京へ行ってくる 2

2023年06月22日 | 日記・エッセイ・コラム

墓地みたい、とママヨさん。羽田から飛び立つ上空から見る東京のビル街は、言われてみればなるほどだ。高さを競う灰色の高層建築群は、ぎっしりと墓石の並ぶ広大な墓地。
飛行機の降り立つ当地は、丘の上に墓標が並ぶ。風力発電の白い風車がキリスト教の十字架に見える。地上では何も感じないことが空からは違って見え驚くのは、普段の暮らしで、離れてみて初めて分かることと同じ。

東京は便利な街なのだろうか?当地で無くなった蕎麦屋もウドン屋も本屋も、リアル店舗のユニクロも無印も美術館も映画館も劇場もある。問題は何でもあって「行こうと思えば行ける」ことで、電車の乗り換え、人込み、暑さは不便中の不便。慣れたら苦にならないだろうが、老いるほど難しい暮らし方。生まれてこの方欲しいものは歩いた先にたいてい売っていた。無ければ我慢するか断念した。東京で暮らしている人々に心から感心する。同じ消費的生活でも東京人のようには生きられないなあ。

カツサンドを食べたいとママヨさん。昼用の空弁を買った後に。「飛行機ではカツサンドなんです」とキッパリ主張(笑)。水気の無いパンに温かくないカツを挟んで何が美味しいのだろうと思ったが、「でしょう?」「本当だ!」だった。1箱4切れを分けあい、「もう少し食べたいなあ」ぐらいが老人にちょうど良い。カツサンドが唯一普段と違うこと、そんな東京旅行だった。


電車でスマホ画面に見入る東京人にも違和感。波風氏も電車乗り換えでは使ったが、仕事と寝ている時以外はスマホ世界の住民になっている 文庫の山口瞳エッセーを旅行中読んでいた。30年ほど前に亡くなった小説家、偏見とズケズケと粋をほどよく調合した昭和の文化人男性、絵を描き競馬好き。暮らしの感性や情緒を洒落た1枚の絵のように言葉に変換している。再評価されてしかるべし読書交流会『ほんのおつきあい』を6月25日(日)14:00~3年ぶりに波風食堂で開催します。感想聞くだけもOK、参加費200円。

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東京へ行ってくる

2023年06月18日 | 日記・エッセイ・コラム

東京へ行って来た。コロナで「行けない来られない」から3年間からやっとのお出かけ。
飛行機の乗り方に戸惑う。飛行機とホテルのネット予約は昔ながらだが、ANAのHP上でチケット手に入れ、スマホ片手に手荷物預かりや搭乗すること。4年前はPCから2次元コード印刷して使った。便利なスマホだがそれ無しでは実に不便(チケット予約で並ばなければならないことあり)な社会になりアナログ専用高齢者はどんどん足手まといになっているのを実感。

毎日の暮らし方を旅行中も変えない3泊4日。朝はパンに珈琲に果物入りヨーグルト。夜はご飯1膳分に野菜とタンパク質副食と味噌汁。昼に家族と会食だから朝と夜で調節、行きと帰ってからの体重が同じ、ヤッタネ!。東京、25度前後で曇りが続いてくれてラッキーだった。4年前の東京は新宿に泊まり、日本民芸館や靖国神社を廻り夜に家族と会う「お上りさん的観光旅行」だったが、今回は「田舎の父さん母さんが地下鉄乗車にモタモタしながら新しくできた家族に会う家庭訪問旅行」で一切の娯楽や観光抜き。(次回に続く)


電車から見る住宅街、隣と隙間も無く畑も無い。花も野菜も育てられず大工仕事も無理な住まい。それに随分と小さな家。息子たちの住宅料を聞いて唖然、そのぐらいの給料で暮らしている人いるよなあ  お土産にママヨさん作『小鳩サブレ―』持って行き、帰りに本家本元『鳩サブレ―』買って来る。東京土産はこういうベタなのがよろしい気がする次回は「なぜママヨさんはカツサンドを欲しがったのか」を書きたい。長くブログ更新しなかったのは不在と疲れていたからでゴメンなさい。本日から通常運行。

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今年の梅仕事

2023年06月09日 | 日記・エッセイ・コラム

梅の実が熟して黄色くなる頃の雨期だから『入梅』、いわゆる梅雨入り。
それから外れていた北海道、異常気象のせいかこの頃雨が続く。
今年も梅の実で梅シロップづくり。

スーパーに袋詰めの梅を見る度、母親の手作り梅干しを思い出していた。
『海街diary』は季節を巧みに使い情緒や時間をしっとり感じさせるマンガ
梅も重要な道具で、登場人物とその背景や関係の実在感を見事に表現。
是枝監督の映画でも梅仕事は印象的なシーンだ。
マンガ自体も映画を見ているよう。
白黒の画面構成も上手。

俺も梅仕事やってみたいなと思わせられたマンガ。
10年続いてるのは、梅シロップが好きと言うより、
この季節に何とか暮らしていると実感したいから。
少し前まで、といっても還暦前まで
そんなこと少しも考えなかった。


梅の実が一番熟す頃だから6月11日は「梅酒の日」、あのチョーヤが決めている(笑)。近所のスーパーに頼んでおいた高麗梅と青梅それぞれ1キロ分。時々ゆらす、来月には梅ゼリーや炭酸割り可、1年は使える 『海街diary』から派生した6月発行『詩歌川百景』3巻目予約した。やっぱり季節と風景(景色とは違う)に情緒を重ねるのが上手い『海街』は「食」も読める。「しらすトースト」は価値あり。

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