波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

言葉感覚を刺激するTVドラマ

2024年02月29日 | 日記・エッセイ・コラム

TVドラマで、失恋したわけを涙ながらに考える場面、「明らめる」と「諦める」の辞書画像が画面に映し出され見入った。はっとしたのは普段使っている「諦める」が「明らめる」の語意の一つ「事情などをはっきりさせること」の派生語なこと。そのドラマでは、自分の恋愛が恋は間違いないけれど愛では無かったと思い至り関係を解消する。

 

広辞苑でこれを確かめて納得。新明解にも2つの「あきらめる」があるがこういう繫がりはわからない。大きな辞書より小さな辞書を便利だと多く使うがそれも考えもの。
諦めるの隣に「飽きる」が並んでいるが、音が似ているだけでなく意味も繋がっているかもしれない、なんて想像。そういう理由で嫌になったので諦めるのか、飽きてもしまったしなあ・・・・なんて。

 

波風氏の見ているTVドラマは『舟を編む』と『光る君へ』の2つ。前者はママヨさんが「ドラマ嫌いの立男さんでも興味を持つはず」と勧めてくれ、後者は読書交流会で源氏物語を取り上げてくれた方の影響で。先週、道長に誘われた紫式部が「行っちゃおうかな」の現代言葉使い。時代的に使うはずないが、決心、関係、若さ、身分:・・・そんな制約を一瞬で氷解させる言葉の面白さ。


映画『舟を編む』も良かったがTVが上。自分の言葉感覚の曖昧さを刺激する。キャストも魅力的 源氏つながりでNHK『趣味時 源氏物語の魅力丸わかり』(全8回)、現代語訳でも難しくやたら長い源氏物語をタイパ重視で楽して見ている。わかるわ、若者の心(笑)NHK大河ドラマはいつ以来かなあ

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なぜ自分は自分なのか

2024年02月26日 | 日記・エッセイ・コラム

なぜ黒い肌に生まれたのか?なぜ女に?なぜ日本人に?・・・・なぜウクライナに、なぜガザに生まれたのか、・・・・・こういう偶然性に関心を持たなかった波風氏。ママヨさんの「なぜ私は私なんだろう?」という幼い時からの問いは同じことだったんだなあ。回答不能な死の宿命と生の偶然についての問い。前回ブログの本で(徐京植著『ディアスポラ紀行 -追放された者のまなざし-)繰り返していた、自己存在の根本的な疑問。これを神や宗教、哲学なんか持ち出さず、暇な人だと馬鹿にもせず、「自分はなぜ生まれ、どう生きて、どう死んでいくのか」を、老人らしい「もう怖いものはない」態度で飄々と話題にすることは楽しく意味あることだと思うなあ。老いて、社会や政治への関心、自分とは何者なのかの問い、逝く態度と残すもの・・・どれもママヨさんの問いにつながる。

 

水俣病を巡る事実とそれを言葉にした本と作者を、読むべき本と人に出合えた、自分が亡くなるまでに少しづつ投げ出さずに読み終えたいとママヨさん、晴れやかな顔なのは、「(水俣病患者は)なぜ自分ではなかったのか?」「生きるのが困難な中で人間として輝くとは何か?」という人間の生死含めた根本を知りたいという彼女の思いの表れ。志村ふくみさん、若松英輔さんという深くて真摯な言葉の著書に広げて読み始めた姿勢に感心。
水俣病のことに読書交流会でNIさんが、高校生の時に水俣病のことを知り憤ったけれどその後途絶えていた、ママヨさんに本を借りて読んでみたいと話してくれた。

 

昼飯なんにするか、体重や血圧の増減は、花の苗を居間で育ててみようか、読んだ本にこんなことが書いてあった、鍋焼きうどんの鍋敷き用に柚木さんデザインのタイルを4枚通販で注文したよ、このお雛様はどうかなあ、なんて話をする老後暮らし。暮らしの出口は健康、入り口は手作業、根幹はは「いつもワクワクしていないとダメ、肝心なのは情熱、そして気力」(『柚木沙弥郎のことば』より)だと思う。自分が生きている社会、自分を知るために、最近自発的に読書するようになった、やっと楽しみの読書、自分のための読書を70歳の時に始めた、若い時は難しい本をわかったふりして読んでいたと102歳で先月亡くなった柚木さんが言っている。そうかそうなんだな、と30歳も若い波風氏は強く共感する。


前回画像の続編『女がエライに決まっている雛』、ママヨさんは自転車2人乗りはダメ!息子たちは男女平等が良いでしょう、2人乗りはイカン、波風氏の妹はヘルメット(冠なんだけどなあ)を被れば男女がわかりませんね 今年の散歩お供主題歌の歌詞を2/26公式裏ブログ『行く、じゃなく、帰り』に掲載。たぶんあっていると思うけど・・・・。

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君のことは忘れないよ

2024年02月23日 | 日記・エッセイ・コラム

年取るほど、人は血筋と財産とプライドにこだわるらしい。物心ついて以来の「自分はいったい何ものなんだ?」の回答を求めてそこに行き着くわけだが、死ぬ間際まで離れないのが欲望なんだね。。中でもプライドとか名声は最後の最後までの厄介さ。老人は「自慢話と説教と長話」(高田純次氏談)というのも、実は無意識の「俺は偉い」が原因かもなあ。

突然難しい話で恐縮だが、「『私』は有限だが『国家』や『国民』は無限。そうだとすれば国家や国民のために死ねば、『私』は不死となる。国民という観念は、死への怖れ、不死の欲望で支えられている。自らの財産、血統、文化を永久に残したいという欲望が、ナショナリズムの土台」という文章に立ち止まった。この辺りの頁を何度となく開き、死ぬ間際の私的な欲望がナショナリズムという公的思想と連続している指摘に新鮮な驚きがあった。
大事だと思ったのは、そこからの解決(=ナショナリズムからの脱却)は、「自分はたまたま生まれ、たまたま死ぬのだ。ひとりで生き、ひとりで死ぬ、死んだ後は無」の境地に立てるかどうかだ、と言う点。何度も、ウームと考え込む。(引用は全て徐京植著『ディアスポラ紀行 -追放された者のまなざし-』岩波新書)

 

わくわく ゆっくり 暮らす(波風立男氏2024目標)は、欲望過剰迷惑老人にならない戒め。楽しみを日々見つけ、それを年相応に飽かず急がず自分でやってみる願望。老境に突然ネトウヨに変身する方もいるようで、三大欲望に対する自己管理力は想像以上に大事だ。死んだら忘れてくれていいからね、化けて出るとかしないからとは言えるが、君のことはすぐに忘れるからね、とは言えない。だって、君と出会うことができたから波風氏は今書いたようなことも考えられるようになったのだからね。君が波風氏と同じ考えか全く逆かの違いはあっても・・・・本心は忘れたくても・・・・


画像『固定観念若干否定雛』(2/20裏ブログ)をラインで送ったら息子たちいわくガチャピンとムック?キャッチャーとバッター?と大喜利みたいな返事 このブログ見てくれる人が数日間隔で更新しているのに毎日100人前後もいる。FBやXと違う長い独り言を読んでくれる有り難さに感謝感謝。一緒に時代を生きて一緒に歳をとっている感覚は悪くない。

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2024目標【書き初め】

2024年02月20日 | 図工・調理

き初めなんかしている気分にならなかった今年の正月三が日。「国民増税、自民脱税」が笑い話にならない今の政治にウンザリしながら、「こんな仕事をしている人がいるのか」と驚ろき嬉しくなった柚木沙弥郎さんの仕事。深いところから励まされた感じ。俺もこうしている場合ではないと思いつつ、さりとて何か差し迫った仕事もないわけで家事と読書と時々のパチンコで過ごした。

年の目標は「わくわくのんびり暮らしたい」。これを染色家・柚木さんのオマージュのつもりで描いてみた。手仕事が何よりも達成感がある。この欲望が朽ちないうちは人生健全。描いているうちに、のんびりの「び」がうまく収まらないので「ゆっくり」に変えた。「暮らしたい」では決意が薄弱なので「暮らす」に。


「読める」と「面白い」の責めぎあいが楽しい。読めると、楽しさが低いと思い、読めないと完成度が低いと 久しぶりに雑誌『世界』買う。面白い。当市にはこういうモノ申す総合雑誌を売っている書店が昨年で無くなった極端な政治の貧困を能登の地震対策で思う。株価空前の値上がり、それが何だっていうのよ、えーっコラ、ふざけんなよマスコミ。

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第37回『ほんのおつきあい』の記録

2024年02月15日 | 読書

先月28日(日)の午後、初参加のNI氏交えて今年初の読書交流会。気負わずそれでいて少し緊張して読んだ本のことを交流するのは気持ちが良い。朝起きて、冷たい水で顔を洗っているような清々しさ。

HF 『怒らないこと』(アルボムッレ・スマナサーラ著:大和書房)、スリランカのお坊さんの教えで、仏陀が全面否定した『怒り』の智恵が明かされる★5。『ブッタの教え 一日一語』(アルボムッレ・スマナサーラ著:PHP文庫)、今の自分を意識しなるべく怒らないようにしたい時に瞬一瞬の幸福を得るブツダの教えに惹かれる★5。『ブッダ(手塚治虫作:潮出版社)、古代インドのカースト制度や差別意識の社会環境で生きたシッタルダ(ブツダ)の生と死をテーマにした長編漫画★5。

NI 置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子著:幻冬舎)、孫からの相談に祖父としてふさわしい言葉で応えたいという気持ちで読む★2。『いまを生きるあなたへ贈る詩50』(二瓶弘行編:東洋館出版社)、磨かれた詩の言葉で自分の考えや感じ方をあらためて見つめてみたい、中島みゆき『時代』の詩に感銘★2。『校長室新聞』(波風立男著:波風文庫)、今まで何人かの忘れられない人たちに出会ってきたが、その中で40代後半から今に至る1人の人格が言葉で表されている。

KK 『あの魔女を殺せ』(市川哲也著:東京創元社)、密室殺人の物語は書き尽くされている感じがするが新たなトリックがあるのかと読んだが魔術が出てきて★2。『私の源氏物語ノート』(萩原規子著:理論社)、千年を超えるベストセラーは式部が1人の想像力で書いていたと思っていたが・・・・この物語の登場人物を忘れられない自分がいるが再読したいと思った★4。

ママヨ 『自分以外全員他人』(西村亨著:筑摩書房)、表題は普段の生活では実に当たり前のことで家族の間でもそう考えるのが無難で自然、しかしこの小説では生きることの苦しみが連綿と綴られ結末も「なにそれ・・・」★2。『苦海浄土』(石牟礼道子著:講談社文庫)、20代の頃から知っていた本で死ぬまでに読んでおきたいと思っていた。著者は主婦で水俣病が未だ知られていない裁判前に書かれた。読んでおきたいと思ったのは正しかった、残りの2部3部を読みたい★5。

波風立男 岩波ブックレット『ナチスは「良いこと」もしたのか?』と小説『自分以外全員他人』。感想は既に本ブログ掲載済みにつき省略。


今月の読書交流会「ほんのおつきあい」を、2月25日(日)14:00~波風宅で開催します。お茶代200円、読んだ本のあらすじと感想を話してください。お茶を飲みながらみんなの話を聞いてくれるのも大歓迎 波風氏にとって「読書は習慣」、「読書交流会」も続いていくうちにそんな感じになってきたなあ。

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