波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

第38回『ほんのおつきあい』全記録

2024年03月23日 | 読書

先月25日、参加者6人の読書交流会記録。

MS 解錠師(スティーブ・ハミルトン著、越前敏弥訳:ハヤカワミステリー)、息子が高校生の時に読み解錠師いなりたいと言っていた。言葉を失った主人公が絵と解錠の才能で金庫破りの弟子に。未だ半分しか読んでいないがとても面白い★5

ママヨ 前回交流した石牟礼道子著『苦海浄土』に関わる読書のその後。
悲しみのなかの真実 石牟礼道子/苦海浄土(若松英輔著:NHK出版)、2018年に亡くなったこの本がNHK番組「100分de名著」で紹介された時のテキストをもとに指南役の若松さんがずうっと読み続けるべき本として「『苦海浄土』とは何か」を表した。「宗教は死んでしまった」とまで言う悲惨さで読み続けられないのも大事な読書体験という指摘にうなづく。水俣病との闘いとはチッソ会社ではなく文明(便利さ)に対する考え方の変更を迫る、今を生き抜く祈りの世界への道★5
ちようはたり(志村ふくみ著:筑摩書房)、人間国宝の染織家が3回ほど水俣病について書いている。自然からの恵みを忘れていないだろうか、という問いあり。良い本だと波風さんが前に言っていた家の本★5

KK  『夢幻花』(東野圭吾著:PHP研究所)、なぜ殺したのか(殺されたのか)、どうやって殺したのかというミステリー小説の原点に帰る10年前の本。黄色の朝顔(=無幻花)を愛でる老人が殺され真相解明に向かう孫娘。禁断の花を巡る人間ドラマ、伏線の回収が天才的★5
白鳥とコウモリ』(東野圭吾著:幻冬舎)、高名な弁護士が殺され、自供により解決されたはずが加害者と被害者の子どもの疑問から一転、「罪と罰」を考えさせられる題名の妙★5

HFYOGAジャーナル』(ヨガジャーナル日本版編集部:プレジデント社)、ヨガを15年やってきたが、除雪前に身体があちらこちら痛くて準備おテキスト★4
子どもの貧困』(池上彰編:ちくま新書)副題「日本の大課題 社会的養護の現場から考える」、家庭で育つことが出来ない子どもが増え、その状況を知り自分でやれることはないかと手に取った★3

NI  今回は私の父親と私の言葉で交流。利尻で鰊が獲れなくなり稚内に移り沿岸漁業に従事。阿弥陀如来様に帰依し毎日漁の前にはお経をあげていた。とても厳しい人だったがこの言葉は私の生きる指針。「70年の道のりを振り返り険しい時もあったけれど只あなた様(他力本願)にみまもられ過ごして参りましたが何時みはなされようとも悔いる事なし お念仏申すのみ 南無阿弥陀仏 々 々 昨日も今日も又明日もあなたまかせの身なれば死すとも生きるに更に悔いなし 念仏がついてござる」。

私のは「一、親の尊さを越えるものは無い 一、常に生きている証を創造せよ 一、生命には限りあることを知れ 一、他を不幸にする権利など無い 一、幸せは分かち合うもの」。42歳の時、長女に手を上げてまんじりともしない一夜を過ごし娘に送ろうと思った言葉。

波風 『ディアスポラ紀行ー追放された者のまなざし』(徐京植:岩波新書)、本ブログの『君のことは忘れないよ』と『なぜ自分は自分なのか』で触れたので省略。★5 


生きるということは、多くの言葉との出会いであり人間は何て色々な言葉を使い生かされている生き物なんだろうとあらためて思う今回の読書交流会次の読書交流会は、3月31日(日)波風宅で14:00~2時間半程度、参加費200円。本の簡単な内容と感想を交流(多くて3冊)、みんなの話を聞くだけもOK。参加可能ならご連絡を➜ namikazetateo@gmail.com

コメント    この記事についてブログを書く
« 曲解『徒然草 117段』 | トップ | 今日72歳 »

読書」カテゴリの最新記事