波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

彫った記憶

2022年05月30日 | 日記・エッセイ・コラム


儀があり床屋に行った。髪を切ってもらいながら、「美術の時間に作ったハンコをすごくほめてもらった」、「あのハンコをもう一度見たい」という話になった。ほめられたのが今は店主で昔は教え子、ほめたのが30代の波風氏。色紙に武者小路実篤風の野菜や果物を描かせ、サインに捺印する石印を彫らせた。妙味は握りで、中3ぐらいになると中々達者、10㎝にも満たない石材の中に球を彫りこんでカラカラ音を出したり、ぐんにゃり捻じれたような面白いのもあった。

 

の中で、普段なら隣と話したりして少しうるさい子が真剣にやっていた。小さな子が石を持つデザインで持ち上げた印面に氏、逆立ちさせるとそれまで立っていた石に名が彫られていた。これにも驚いたが、子どもの造形が可愛らしく小さいながら堂々としていた。少しやんちゃな子どもで担任に時々叱られていたが、心根の優しさと手先の器用さ、集中力を感じた。この石印、後輩の参考作品にと頼んで彼からもらった。

 

れから30数年、彼は羽でなでるように髭をそり(波風氏は1回でもチクリと痛い思いをさせられたら2度とその店には行かない)、年寄り臭くない髪型にしてくれる😄。そういうもんなんだなあ、彼は神経が細やかでイメージを形にできる人なのだ。昔話をきっかけに、波風氏は数少ない宝物を作者に返す。自分の作品をもう一度見たいという、こんな授業の話を聞くと教師をやっていてよかったなあと思う。


5月末と言うのに日中で10℃もない日が続く。少しやきもきするが日記を見ると毎年こんなもの。そういえば、うちのは人より遅れて実り人より遅れて枯れるんだった 車体塗装を吹聴していたら「教えて下さい」という依頼2件。「失敗しても自己責任」をしつこく確認してから手助けしよう画像は前後の姿。逆立ち姿は想像してください。持ち上げた力の入り方、手の平の形が秀逸。

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第31回『ほんのおつきあい』全記録

2022年05月25日 | 読書

先月24日(日)の読書感想交流。昨年11月以来の顔を合わせたリアル交流。波風氏も含め3人の小規模交流だったが楽しかった。今の時期、「大勢でなくて良かった(笑)」というのと「集まって話をするのはやっぱり楽しい(感)」という気持ちで、本以外の話もたくさんできました。

 

MS 『心の荷物の手放し方』(精神科医TMOMY:ダイヤモンド社)、自分を自由にしたくて悩んでいる人がお医者さんに話しに行く8つの話。例えば、SNSで友だちが悪口を書いていた話があり、この人を許せない時は相手にストレスがあり余裕がない時というのを読み、自分も心の余裕が無いので気づきがあった。久しぶりに「この本を読みたい」と買った本で★6(5段階で)。他人に合わせるより話の合う人を見つけることが大事なんだと思った。
謎解き 葬儀屋イオリの事件簿』(持田ぐみ著:MICRO MAGAZINE)、薬剤師だった女性が主人公で、葬儀屋に転職して、職場での出来事や恋心が書かれているお話でした。葬儀屋さんの仕事の内容について知ることができました。好きな人が出来て転職する主人公の行動力に憧れたりしながら読みました。最初は普通のペースで読んでいたのですが、途中からどんどん引き込まれて一気に読みました。朝起きて読んで、家に帰ったら早く読みたいなと思いながら仕事に行って、帰ってからもあれこれをして、本を読める時間が来たとき、時間が来たことをとても嬉しく思うくらい面白い本でした。★5です。私は推理の本を読んだことがないので、最初にこの本を読むことができて良かったです。


HF 8月のひかり』(中島信子著:汐文社)、子どもの貧困を「食」を通して描いている。父親は暴力とパチンコ。働くお母さんの代わりに料理や洗濯をする小5の姉、小2の弟がいる。お金が無いのでキャベツだけを食材にして食事を作る★3.5。
わたしらしくCジャンプ』(赤羽じゅんこ+サトウユカ著:講談社)、SDGsをテーマに世界がそれを目指す理由が楽しい挿絵もありわかりやすく読める。シリーズ本だが本書では、過労死やサービス残業など「働き方改革」について小学生でもわかるようになっている★4。
新書『スマホ脳』(アンデシュハンセン著、久山葉子訳:新潮新書)、塾をやっていて成果が上がらないのはいつもスマホを見ているからだと気づき手に取った。2時間以上スマホを見ていると鬱のリスクを高め確実に成績は下がる、集中力は落ちるし短期記憶が弱くなるからだ。現代人は予想以上にスマホを見ていて、スマホアプリも脳内快楽物質を放出するように開発されているらしく恐ろしい話だ★5。

波風立男 『ハブられても生き残るための深層心理学』(きたやまおさむ著:岩波書店)、フォーク・クルセダーズのメンバーで今は精神科医の著者に立ち止まって手にする。いじめ(ハブられる)の背景、深層心理学による仕組みの深掘り、そして自分らしく「生き残る」ヒント。知りたいことが網羅されているが少し難しい★4。
原典で無くなくテキストでも十分難しかったNHK「100分de名著」テキスト『ハイデガー 存在と時間』(戸谷洋志著:NHK出版)、自分にとって幸福とは何なのか、人生とは何かを考える支点みたく与えられた感じでよかった★4(本ブログ『プーチンの哲学』参照)、ロシアの過酷な地で生きるロシア人のことを知り、この時期に視野が少し広がり良かった『マイナス50℃の世界』(米原万里著、角川ソフィア文庫)★5。


人間関係をめぐる本がいつも読書交流会に登場するが、考えるまでもなく『本』は自分を含めた『人間』というものを言葉を使って表す物なんだね 前回ブログがとても高い視聴数。波風氏も人の車の塗装状態が随分気になっています(笑)

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【工作】車体塗装

2022年05月23日 | 図工・調理


先で車の前バンパーを傷つけてしまった。スーパーの駐車場でバックから入らず、出るときに逆U字の車止めにうっかり追突した。波風夫妻は声も出なかった(ウワッという叫び声は出た)かろうじて若干奥に位置するプラスチック部分が無事だったのとフォグライトが留め金から外れて引っ込んだ程度だったが、バンパーは大きく傷つき、2ヶ所に手の平3分の1ぐらいのパテ埋め必要な「やっちゃったよ」状態。後ろバンパーを業者さんに治してもらったばかりなのに。そのショックは余りに大きく、「自分で治す」決意を帰りの道々4時間で徐々に固め、いつもと違い慎重運転の波風氏であった。

ーチューブ動画で、「板金塗装 バンパー編」を繰り返し見て、その工程をメモし必要な材料を買った。折れたバンパープレート、アマゾンで998円、割合ちゃんとしてる中国製。総計1万円未満だから業者さんに出すことを考えれば安いもの。たぶん10万円ぐらいはいくはず。そう思わなければとても挑戦できない暮らしの大工作。ママヨさんが日曜に帰ってくるので「ちゃんと修理終了しました」と見せたい。これだけ大がかりなのは初めてなので、見た目で「やっちゃった」がわからなくするのが目標。ポリシーは、とにかく丁寧、急がず慌てず…

論。「やればできる」を実感。完全乾燥後のコンパウンド仕上げは残っているが当初目標は達成。その分、今までつけたあちこちの細かなかすり傷が気になりだした。時間があって、晴れの日が続き、何より「やってやろうじゃないか」という気分になったらね、という宿題にしておこう。「衝突した時のひどさは忘れられませんが、全然わからなくなりましたね」とママヨさん。ウーム、老人の工作は暮らしと経済に直結するを最優先に、だね。


苦手なスプレー塗料、しかし車体塗装は5種類のスプレーの連続。わかったのは、塗装前の作業で勝負が決まるということ。業者さんの凄さと値段を実感 風船葛と南瓜の種から双葉が出て育っている。いずれも昨年出来た種。昨年買って全然できなかった苺、一冬越え元気良い苗になり白い花も1個見える(喜)。嬉しいなあ。

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みんな一緒 があるんだね

2022年05月19日 | 新聞感想

 

しぶりに感じ入った新聞コラム(5/18朝日1面『折々の言葉』)の言葉。

金子みすゞ『わたしと小鳥とすずと』でおなじみのフレーズ「みんなちがって、みんないい」は、人はみんな平等で色々個性が違うのが大事なんだと理解され、教室で使われることが多い。そうだよなと思いつつ、間違いやすい言葉だなあとも感じていた。口触りが良いだけに。
前提があるんだなあ。一緒の部分があって初めて違いが生きるんだなあ、と思った。

 

っちゃけとか、本音を言うのが価値あるみたいな人を波風氏は苦手だ。人は悪くないが単純で不注意な人に多い。こういう人は自分を率直に批判してくる人に目を剥いて怒り出すものだ。自分の言いたいことを言いたがるが人の言いたいことは聞かない困った人。
人には言ってはならないことがあるし、身近にだって相手のことを考えれば言ってはいけないことがある。新聞の今日の言葉でそう思った。
学校というところは(友だちどうしは)「みんなちがって、みんないい」と仲良くなるために「言って良いこと」と「言ってはいけないこと」を失敗しながら学ぶところだったとあらためて思った。大人は「それを言っちゃあおしまいよ」の世界なんだが、政治家なんかが「表現の自由」とか「わが国の防衛安全のため」などと大手振って誤魔化すから要注意だ。


まだ寒く畑の作業はゆっくりゆっくり。しかし、近所でうちのと同じ花が咲いていたりすると気になり、日陰だから、風の通り道だからなんて理由を探す 車の塗装を少し真面目に勉強してみよう。わけは聞かないで欲しい(涙)。暖かくなってきたので中断していた木工作業再開。

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20歳の正義感

2022年05月16日 | 日記・エッセイ・コラム

日のことは忘れないようにしよう、50年経っても今日の日を思い出せる人生を送りたいと思った。5月の何日かは忘れたが1972年20歳の時。家庭教師のアルバイトを休ませてもらって参加した。基地の無い沖縄を返せ、ベトナムから米国は出て行けとシュプレヒコールがビルの谷間でウヮーンウヮーンとこだました。月も星も見えない夜、人間の声はこんなふうに反響するんだと知った。繁華街の大通りは人ひとヒトで埋まり整然としているのに猛烈に熱い連帯のフランスデモ。終わった後、上気した心ほてった身体の記憶。心を繋げられる人間というのは美しい動物だなあ、と思った。
ずうっと前から、あと何年後だなあと毎年意識してきた『2022.5.15』

 

い者が犠牲を強いられ、強い者による理不尽な暴力・戦争、本当に嫌だ。同じ心の人々が手を結ぶことができるのも現実世界なんだと思った。ベトナムが沖縄から飛ぶ爆撃機で攻撃される忌まわしい構図、こんなのは絶対に許せないと強く意識した初めての正義感だったかも知れない。政治感でなく正義感、自分の深部に宿っている動かしがたい生理感。
中学生の時、ふとしたきっかけで沖縄の同学年の女子中学生と文通した。自分は日本人だと書いてあってどう返事したら良いのかわからないほど無知だった。手紙の往復が月に数回だったからすぐに途絶えてしまったが、この時の疑問というか戸惑いはずうっと残っている。沖縄の大学生が祖国復帰実現のデモで日の丸の旗を掲げているのを知り、俺は何も知らないと恥ずかしく思ったのは自分も大学生になった時だった。


沖縄はずうっとずうっと利用され続けているが、間違いなく大きな変化も作ってきた、凄いなあ画像は60年安保当時の東京のフランスデモ(手を繋ぎ大きく広がる形)。波風氏のフランスデモは、前述のが最初で最後だ お客さんと人間関係の話する。永遠の課題だけれど、愚痴を出す場所を確保しストレスを溜めないことが一番を再確認 タラの芽、ウド、タケノコ、ワラビいただく。老いるほど嬉しく有り難く思うプレゼント。

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