波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

3日間の真面目

2016年11月30日 | 日記・エッセイ・コラム

江健三郎著「定義集」、今日が発行日の文庫本で3日前から読み始める。面白い。落合恵子さんの悲観的な解説「『意志的な楽観主義』をタイトルに借りて」も悪くない。老後読書目標の4作家の中で全く手をつけていなかった最後の一人にやっと触れた。
 「あ・い・た・く・て」(工藤直子*詩)を開き、「無限の闇 草間彌生自伝」(作品社)で気分が滅入るのを時々浄化する。読まなければよいようなものだが、いつも遥か彼方を見つめる顔つきの、水玉世界に耽溺し消滅する画家の話につきあわされてしまった。

家の島田章三さん、革命家カストロさん、先週ご逝去。若かった頃、この人たちの仕事や人生を思うことがあった。その時に、一緒だった人たちのことを思い出したりした。若い人のメールで『知性と学力』を考える。教師になった教え子が言った「一緒に働きたい人を育てる」を思い出した。和歌山の知人から甘いミカン届く。

の3日間でポスター原画1枚、来年のカレンダー12枚セット、退職記念の依頼原稿1枚、おろし金(クレパス画)などつくる。手をしっかり洗い、うがいし、丁寧に歯を磨く。少し真面目に暮らす。雪も真面目に降っている。明日から12月。

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【その292】 カメラ

2016年11月28日 | 【保管】一寸凡師コラム
カメ

凡師のカメラ環境を整理。使っていないレンズや古くなったコンパクトデジカメは有効活用へ。ぎゅうぎゅうだったカメラバッグもすっきりした。 写真撮影は「オート」でバシバシ、時々「絞り優先」派だったが、これを機に勉強開始。「マニュアルフォーカス」の面白さや「光」の活用の奥深さにそっと頷 く毎日。年末の帰省で大活躍できるよう練習したい。
 
 
※イラストは波風立男氏作。本文とは関係ありません。
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道具の値

2016年11月28日 | 日記・エッセイ・コラム

雪のような大根おろしは、少し盛った宣伝文句。軽い「霙雪(みぞれゆき)」ぐらいが妥当。ずうっと欲しかった純銅製『おろし金」のこと。大根おろしの香りと味はこんなだったのか。鈍くなったら刃を目立てしてもらえるとのこと。こんなことが嬉しい。

 
段の生活道具が面白い。ママヨさんの父親が使った鋸(のこ)と鉞(まさかり)を描き残しておこう。何とも言えない味がある。亡くなった母の形見、俎板と寿司桶と籠もだ。ものを作る道具、暮らしを支える道具。手に触れて、「なるほどなあ」を記憶のおまけつきで発見する。

 

を楽々切り分けられるのも、キャベツの千切りの幅が細くなったのも、刺身の角がすっきりしたのも、包丁を研いだから。初めてなのに効果は抜群。「躊躇する前にやれ」だね。研いだ鉋の切れ味が良くなり、箸を作っていて両端を尖らせてしまった。とほほ、短い菜箸が一膳できた。

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第134回/ご機嫌な時間

2016年11月27日 | 【保管】腹ペコ日記

ご機嫌な時間 

最近相方さんと話題になったのは、「自分がご機嫌なときと不機嫌なときを把握しておく」という話。たしかに、自分が不機嫌でいることは、自分にとっても他者にとっても幸せなことはなにもないだろう。できるだけご機嫌で過ごせるものなら過ごしたい、と、そんな風に思っている。

                                                               

腹ペコが不機嫌なときは、主に空腹時、睡眠不足。ご機嫌なときは、食べたりおしゃべりしたりしているとき、時間制限なく読書できるとき。そういえばこの1年、時間を気にせず食べたり読んだり、という行為ができにくくなっているなぁと思った。ご機嫌な時間が減り、不機嫌な時間が増えてしまっているかもしれない。不機嫌な状態を回避することは、今は難しいのだけれど、ご機嫌な時間を意識的にとるようにしたいと思う。

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工藤直子詩「あいたくて」

2016年11月26日 | 読書

医者の帰り、遠回りして行った本屋。買った詩集『あ・い・た・く・て』(工藤直子*詩 佐野洋子*絵)から。不思議だ。人生が残り少なくなってから、こういう詩に反応するとは。「もう、あいたい人にはあったはず」というのと、「まだ、あっていない人がいる」というのが交錯する。作者50代の詩。

                         

画「あん」のエンドロールで使われた言葉「人は見るために生まれて来た」も思い出す。どれも、深く考えはしないが、強く感じはする。歳とれば自ずと見るべきもの、会うべきものは満たされ、価値観は煮詰まり感情は安定すると思っていた。しかし、どうもそうではない。いったい、何を探し求めていたのかさえ、油断すると曖昧になる気がする。老人の頑固さとは、そうした自分自身を必死に確保する緊張感を言うのかもしれない。その自分が一番わからない。「あいたい」のは、本当の自分みたいな気がする。

関連記事として「本を買いに」(本日更新の「波風食堂、準備中です」)

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