波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

【その156】 NEW

2014年03月30日 | 【保管】一寸凡師コラム
Photo
 増税前最後の週末。かねてより不具合を連発していたTV番組録画用の外付けHDDを新調。最近息子も興味を持ちだした「テレビで基礎英語」も、これで安心して視聴できる。
 さて、「去って行く3月」もとうとう終わり。いよいよ新年度がスタートする。会う人会う人に「痩せた?」と言われる凡師。新しい1年はどうな るだろうか。HDDを新調したお陰で、テレビ番組は安心して録画できるようになったが…。現在もHDDの中身は「NEW(録画してまだ未視聴の番組)」の 文字が並ぶ。少しでも「NEW」が減るような生活を目指したい。
………………………………………………………………………………………………………………………………………
「借金で買うなんて粋じゃないね。業界としても迷惑」と熊手業者。みんなの党でなく「わたしの党」代表の8億円釈明 高峰秀子の言葉」(斎藤明美著:新潮社)、「自慢話と愚痴と説教が年寄りの三種の神器」など、思うところあり。本人発信と一味違う 本日、公式裏ブログ更新、「カゴ持ち係の憂鬱」だよ。
コメント

あるイラストレーターの死

2014年03月27日 | 日記・エッセイ・コラム

 イラストレーター、安西水丸さん71歳で先週ご逝去。温かくて、都会的で、線と色が印象的だった。「たった10歳しか違わないのか」と思ったのは、立男が昨日62歳の誕生日を迎えたからだけではない。中学生の頃、何かの拍子で目にした、美術の教科書にも、Photo_2マンガ雑誌にも無い、挿絵ともポスターとも違う、たった1枚で勝負するような別次元のデザイン表現に心惹かれ、それは随分年上の方の仕事だと思い込んでいたからだ。古川タク、和田誠、黒田征太郎…なんて格好いいんだろう。

                  ●●●

  立男の中学時代の友人の多くはこの方面の道を選び、立男だけ公務員になった。少年の立男にはこの道でやっていく勇気も自信もなかったし環境も許してくれなかった。そんなことを考えてい昨日の誕生日、頼まれて作ったポスターの原稿をWEBで本州の印刷会社に送信。A1サイズが校正2日、印刷5日だと言う。そういう時代なんだ。技術は限りなくデジタルで進化し、原稿はますます人間味が問われだしている。凡師さんから手書き文字の葉書、知人からの絵手紙を読みながら思った。「先生、店に飾る絵葉書そろそろ新しいのを送ってくれませんか」とバーを経営する教え子から電話も来て。

イラストの青インクの液面の右肩上がり、緑、黒、赤、黄土の絶妙な配置、今だってドキドキする。詩があるからだ 「…実力とは、経験と理論で作られた説得力」というような言葉を見つけた。説得力を表現力と言い換えたい祝 上橋菜穂子さん(児童文学のノーベル賞)アンデルセン賞。「獣の奏者」「精霊の守り人」など。ママヨさん愛読。

コメント

【その155】 回転寿司

2014年03月23日 | 【保管】一寸凡師コラム
Photo  小生が書かせて頂いているコラムは3本。職場で不定期に登場するコラム『お前も蝉人形にしてやろうかっ!』は、職場内という閉鎖された空間でのみ交流されることもあり、内容を一言で言うなら「柔」。そんな柔らかさ一杯のコラムも今年度分が終了。ふと読み返してみると、約1年前、息子とドライブがてら回転寿司に行ったエピソードが。ほうほうと懐かしく思いながら、本日1年ぶりに息子と回転寿司へ。

    前と同じくカウンター席に座り、お寿司をほおばる。荒馬さんへのお土産を注文する時に、メニューを見ながら注文票をすらすらと記入する息子を見て成長を感じた。見た目とネーミングの響きで選ぶ息子に「これとこれはきっと嫌いだと思うよ。他のにしよう。うん、このあたりがいいと思うよ」と高価なお寿司を選び直させるあたり、凡師の小ささを感じた。また1年後息子と食べに行きたい。その時には、好きな寿司を選ばせてやれるぐらいに成長していたいものだ。

………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

「こころ」を4月から朝日で100年ぶり再連載。閉塞する今の時代に不動の価値求める世間、そして自分。未だ「はだしのゲン」回収指示するエライ人もいる…(波風立男)
コメント (2)

棘のある樹

2014年03月21日 | 日記・エッセイ・コラム

Photo_3  鉢はベンジャミンだったと思う、脇に双葉が顔を出した。幼いくせに光沢のある葉が、俺は雑草とは違うと主張していた。それから10年は経っただろう。駄目になると思っていたがしぶとく、専用の鉢に仕立ててやったら突然伸びて30㎝になった。鉛筆ぐらいの茎はどうみても木で、小さく細いのに由緒正しい雰囲気だ。

  昨年、上の方に突然、棘が生えた。「かわいらしいのに棘なんか出してる!」とママヨさんが口にした。「お前だって昔はかわいかったが今は棘だらけじゃないか」と立男は、声に出さずに思った。太くて固くて薔薇のより尖った棘だ。

                   ■・■・

  この木はどこから来た、何という種類の木なのだろう。棘のせいでは無いと思うが頂点付近が枯れ始めた。心配していたら、若草色の柔らかそうな葉が生えてきた。生まれも育ちも、ひっそりと自分で何とかやっている。面倒見の悪い家で命を守らなくちゃならない不運に負けず、困難をできる限りの工夫でしのぎ必死に生きている感じだ。 誰かが口にしていた「今度生まれ変わったら、木になりたい」を思い出した。立男は、実のなる木ならいいな、金柑なら最高だなと都合のいいことを考えて、この頃は水なんかも定時にやっている。快晴だけれど寒い春分の日。


公式裏ブログ、更新しました祝日なので仕事をしている(笑)普段が普段だからな。平日に温泉に入っているのと真逆なはずだが、気分としてはそれに近い。

コメント

「詩のすすめ」(吉野弘著)読む

2014年03月20日 | 読書

Photo_2 札幌で脳外科に運ばれた次の日、詩集「贈るうた」(吉野弘)、評論「詩のすすめ」(吉野弘)、「子どもにつたえる日本国憲法」(井上ひさし)を紀伊國屋で。20時間眠り続けた頭の割には、まともなのを選んでいた。「詩のすすめ」は、「国語の時間」(竹西寛子)のように国語教師必携。退職前に読んでいたら、詩の授業は違ったはず。旅先で少し生死のことを抱えた気持ちが、この3冊を迷わず手にした理由だった気もする。

                  □■□

 

 言葉の意味の揺れを例で示し、言葉と詩の通路を教えてくれる。こんなに親切で深い詩の入門書を知らない。自作「夕焼け」の娘が席を立たなかったことへの「考え方」に考えさせられる。「創」や「過」などの言葉の二つの意味の関係、奇形としての4つ葉のクローバーが幸せの象徴である不思議…詩がなぜ生まれ、詩が与える感動とは何かを、見事な散文で展開する。高名な詩人たちへの解説も、作者の人間性を伝える。研ぎ澄まされた言葉の可能性を思う。

  印象に残ったのが「堅実な末路」という奇妙な言葉だ。優等生的な印象の前半と不幸な結末が心を騒がせる。読んで3日になるがこの言葉を思い出すと落ち着かない。「あれ、何の結末だったかな」と何度か41頁目を開いて確かめた。自分の今までとこれからを考えると、こういう語感が何だか面白い。

札幌で懐抱してくれた方々にやっと礼状、蟹煎餅を同梱。2枚見ただけの栗谷川健一展も今週で終了STAP細胞のニュース。競争と成果主義の無残さがこんなところにも…朝の5時から1時間、前日分の新聞切り抜きし当日分読む。道新も今月から大きな活字、老人対応は歓迎。

コメント