ミャオの家より

今はいないネコの飼い主だった男の日常

ワタシの飼い主(7)

2008-02-19 16:42:42 | Weblog
2月19日 昨日の朝は、晴れていただけに、-9度と冷え込んだ。飼い主は朝早くから、何やらバタバタした後、出かけて行った。
 そして、午後遅く戻ってきた。ワタシはどこに行っていたのと、ニャーニャー鳴いて迎える。その顔を見れば、またしてもルドルフ状態。ソリにリボンをつけた生魚でも乗せて来るのならともかく、赤鼻のトナカイ顔という季節外れの冗談は、やめてほしい。まったく、山登りのどこがそんなにいいのだろう。 
 「イヤー、いい雪山ハイキングだったなあ。十日ほど前に行ったときと比べれば、晴れていたし、人も少なかった。
 なにより雪の山々がきれいだった。風紋やシュカブラ、エビのしっぽなどの雪の作る形が、素晴らしい。それは夏に咲く、山の花々と同じようなものだ。
 山の形はいつも変わらないけれど、その前景となる風景は、高い山になるほど(ヒマラヤみたいに一年中雪に覆われた山は別として)、夏と冬では大きく違うし、それぞれにきれいな景色になる。その美しい景色を見るために、冬は、寒さで震え上がるようなにしおかすみこのムチに叩かれ、夏は、汗かきの太ったマツムラにまとわりつかれるような苦労をしてでも、山に登りたいというわけなのだ。
 今回も牧ノ戸峠から登ったのだが、そこまでの道のりは、塩カルの塩漬けロードで、冷え込んだ割には凍結の心配も余りなく、楽に走ってこれた。さて、沓掛山を経て、分岐の所から、尾根に取り付いて、星生山そして星生崎と縦走したが、新雪の上の足跡もなく、誰にも会わず、そのうえ風も弱く、全くいい気分だった。
 久住分かれからは、何人かの人に出会ったが、御池から再び足跡の消えた天狗が城に登り、後は雲が多くなったので、急ぎ足で牧ノ戸に戻った。 
 家に戻り、汗まみれの冷えた体を暑い風呂で温め、たまらんなー、そして赤鼻のトナカイ状態の自分の顔を見て、いい山だったとニタリと笑う。(キモチわりーと、ニャオの声)。
 山に登るのはいい。幾らかの運動にはなるし、その後、風呂に入る楽しみもある。好きな人は、風呂上りにビールを一杯となるだろう。そして写してきたデジカメ画像を、液晶画面で見て、自分の見た美しい景色を思い出し、繰り返し楽しむことができる。それは、一粒で二度おいしい、スポーツ界のグリコ・キャラメルやー(彦麻呂ふうに)。
 世の中のおじさんたちには、撮影会などで、若いねえちゃんの写真を撮って喜んでいる人もいる。その気持ちも分からんではないが、そんな金もないし、第一この年でそんな所に行くのは、チョー恥ずかしい。オレはミャオという可愛いネコちゃんをいつも撮っているから、それで十分だ。山とミャオ、二つの美しいものを見ることのできるオレは幸せだ。」 
 また、何という風の吹き回しでしょうかね。いつも皮肉半分の飼い主の言葉とも思えない。今日は何の日だっけと、前足を裏返しにして、肉球の指を数えてみる。2月19日、雨水、降る雪が雨に変わるころ。春が近づいてきているのですね。