1月31日 朝、気温-2度、うっすらと雪が積もっている。曇り空から日が差し始めると、ワタシは外に出される。確かに日が差していれば暖かい、しかし日がかげると、なんといっても冬の空気だ、寒い。ミャー、部屋に入れてと鳴く。
飼い主が、私の面倒を良く見てくれているのは分かっているが、中年男のむさ苦しい顔ばかり見ていると、どうしてもアクビが出てしまう。そんな時、あのやさしかったおばあさんのことを思い出してしまう。
本来、ネコは人間の男よりは女の方になつきやすいといわれている。(お笑いタレントの青木さやかのように、飼い猫がなつかないという場合もあるだろうが)。確かに、人間の男どもは、がさつで目上の者にヘイコラするところが、あの野蛮で単純なイヌに似ているし、やはり女の人の方がワタシたちネコ族に似て、体つきもしなやかだし(メヒョウのようなとは言うが、オヒョウのようなとは言わない)、性格も感情的で分かりやすく、つきあいやすいのだ。
酒飲みおばさんの一家解散宣言の後、ワタシを家で飼おうと言ってくれたのは、おばあさんの方だったし、頑固なイヌ派の息子とは、始めのうちは余り気が合わなかった。あの"北の国から"かぶれの息子は、すぐに北海道に行ってしまうし、ワタシにとっては、冬の間いるだけのおじさんでしかなかったのだ。
一年中、一緒にいてくれるおばあさんは、よくワタシの頭をなでながら、言ってくれたものだ。「お前の額の、白斑流星の紋様は、ネコには珍しいし、将来きっといいことがあるよ」。
馬の額には、よくその流星の白斑紋様がついているそうだが、なんでも農家の娘だったおばあさんは、農耕馬として家で飼われていたアオが大好きで、いつも良く世話をしていたとのことで、ワタシの額の紋様を見て思い出したのだと言った。
そのワタシをかわいがってくれた、おばあさんがいなくなってから、もう四年近くになる。息子の落胆ぶりは哀れだったが、ワタシにしても大変なことで、つまり路頭に迷うことになるかもしれない出来事だったのだ。それが今こうして、おばあさんの息子である、猫好きではなく犬派だった飼い主と、寒い冬に、一緒に暮らしているのだ。いろいろとツライことがあったけれど・・・。
そんなことを考えながら、ストーヴのそばで寝ていると、飼い主がやってきて、ワタシの体を抱きかかえて、外のベランダのところに出した。離れた所で、あのマイケルが、甘い声で鳴いていた。
奥の部屋で寝ていて、聞こえなかったのだ。ワタシが振り向くと、いつもは無愛想な飼い主の顔が、少し微笑んでいるように見えた。ワタシは、ニャーと鳴いた。
飼い主が、私の面倒を良く見てくれているのは分かっているが、中年男のむさ苦しい顔ばかり見ていると、どうしてもアクビが出てしまう。そんな時、あのやさしかったおばあさんのことを思い出してしまう。
本来、ネコは人間の男よりは女の方になつきやすいといわれている。(お笑いタレントの青木さやかのように、飼い猫がなつかないという場合もあるだろうが)。確かに、人間の男どもは、がさつで目上の者にヘイコラするところが、あの野蛮で単純なイヌに似ているし、やはり女の人の方がワタシたちネコ族に似て、体つきもしなやかだし(メヒョウのようなとは言うが、オヒョウのようなとは言わない)、性格も感情的で分かりやすく、つきあいやすいのだ。
酒飲みおばさんの一家解散宣言の後、ワタシを家で飼おうと言ってくれたのは、おばあさんの方だったし、頑固なイヌ派の息子とは、始めのうちは余り気が合わなかった。あの"北の国から"かぶれの息子は、すぐに北海道に行ってしまうし、ワタシにとっては、冬の間いるだけのおじさんでしかなかったのだ。
一年中、一緒にいてくれるおばあさんは、よくワタシの頭をなでながら、言ってくれたものだ。「お前の額の、白斑流星の紋様は、ネコには珍しいし、将来きっといいことがあるよ」。
馬の額には、よくその流星の白斑紋様がついているそうだが、なんでも農家の娘だったおばあさんは、農耕馬として家で飼われていたアオが大好きで、いつも良く世話をしていたとのことで、ワタシの額の紋様を見て思い出したのだと言った。
そのワタシをかわいがってくれた、おばあさんがいなくなってから、もう四年近くになる。息子の落胆ぶりは哀れだったが、ワタシにしても大変なことで、つまり路頭に迷うことになるかもしれない出来事だったのだ。それが今こうして、おばあさんの息子である、猫好きではなく犬派だった飼い主と、寒い冬に、一緒に暮らしているのだ。いろいろとツライことがあったけれど・・・。
そんなことを考えながら、ストーヴのそばで寝ていると、飼い主がやってきて、ワタシの体を抱きかかえて、外のベランダのところに出した。離れた所で、あのマイケルが、甘い声で鳴いていた。
奥の部屋で寝ていて、聞こえなかったのだ。ワタシが振り向くと、いつもは無愛想な飼い主の顔が、少し微笑んでいるように見えた。ワタシは、ニャーと鳴いた。