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映画 ジュリア・ロバーツ、ヒュー・グラント「ノッティングヒルの恋人(‘99)」

2007-01-06 10:58:39 | 映画

               
 映画データベースのレビューを見るとかなり皆さんのお気に入りの様子が窺える。ところがこの私には、今ひとつ物足りない。ちょっと青臭いという感じだ。

 ハリウッドのオスカーも狙えるという大女優アナ・スコット(ジュリア・ロバーツ)がひょっこりとノッティングヒルにあるウィリアム・タッカー(ヒュー・グラント)が経営する旅行書専門の本屋に現れる。これが二人の出会いで、たいした波風もなくハッピーエンドを迎える。

 編集ミスや二人のベッドインへの古典的な手法、寝室の前でお休みといって別れるが、夜も更ける頃アンがウィリアムを求める。これなど大女優が男を漁るという感じが拭えないし、今の時代、もう少しベッドインへの過程に工夫があってもよさそうに思う。
 翌朝ベッドでアンが女の乳房に男が異常な興味を持つのを揶揄するセリフも、とって付けたようで違和感を覚える。それにウィリアムと同居の男の存在が不可解。ブリーフ一枚で部屋中を歩き回るのも、何のために? と言いたくなる。

 助演俳優でサイドストーリーも語られるが、今ひとつインパクトに欠ける。小説でサイドストーリーをしっかり書くと、全体に厚みが増すといわれる。映画も同様だと思う。アナがウィリアムに「女優としてではなく、一人の女としてみて欲しい」と言う。それがこの映画のテーマなのだろう。

 ハリウッドで美人は掃いて捨てるほどいるだろうが、個性が無いとなんの役にも立たない。ジュリア・ロバーツは個性的だから生きながらえているのだろう。
 この女優相手に堂々と演技出来る日本人男優はいるのだろうか。ヒュー・グラントを観ていてそんなことも思った。

 とはいっても、若い年代にとっては、甘いラブ・ストーリーでうっとりとするのも悪くない。オープニングとクロージングに“She”という曲が流れる。オープニングはシャルル・アズナヴ-ル、クロージングはエルヴィス・コステロが歌っている。なかなか甘いムードのいい曲で、この映画にはぴったりだ。歌詞を拾い上げてみると
 “彼女…忘れられない面影 
  僕の喜び それとも悲しみ
  輝かしい宝物 それとも代償
  たった一日の中で
  いくつもの違う顔を見せる

  彼女は美女 それとも野獣
  苦しみ それとも至福
  これかれの日々は天国 それとも地獄
  彼女は僕の夢をうつし出す鏡
  川面に光る 天使の笑顔
  でも彼女の心の奥の思いは
  誰にもわからない

  人々に囲まれいつも幸せそうで
  自信と誇りにみちた瞳
  涙を流す姿は誰にも見せない
  手の届かないはるかな愛の夢
  もし彼女が僕の前に現れたら
  僕は死ぬまで忘れはしない
  
  彼女への思いをこの胸に秘めて
  彼女一人のためにだけ
  これからの人生の日々を生きていこう
  僕は彼女の笑顔や涙を見つめ
  僕だけの思い出にして彼女がどこにいようとも 
  彼女こそ僕の生きる望み 美しい女(ひと)”
コメント
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