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JR西日本の列車事故に思う

2005-04-29 21:50:42 | 社会
 106人の死者と多数の重軽傷者を出した4月25日の脱線転覆事故、いったい原因はなんだったのか。

 専門家の調査を待つしかないが、事故から2,3日後に欧米のメディアが「安全神話が崩れる」という論調を掲げた。米、英、独の新聞は、90秒の遅れを取り戻すために無理な運転の結果だと断じている。欧米では5,6分は許容範囲で遅れとは考えないという。ついでに、日本人は余裕がなさすぎるとも。

 確かに定刻発定刻着の神話を維持して、日本の鉄道は時間に正確で安全性が高いことで知られていた。神話について辞書は、かつて(長い間)絶対と信じられ、驚異の的とさえなっていた事柄。【現在は俗信に過ぎないという観点で用いられる】で、俗信というのは迷信的な信仰とある。

 なんとも皮肉で、神にしか出来ないことを続けようとして起こしたこの事故。鉄道会社も利用者も遅れは遅れとして容認し、遅れを取り戻すという発想はやめたほうがいいと思う。

 飛行機の国際便は、早く着いたり遅れたりが日常茶飯事で、それでも乗客は文句を言わない。当たり前の現象になっているからだ。ものは考えようで、ゆとりや余裕という遊びの感覚を持っても悪くはないだろう。

 車のハンドルに遊びがあることは、免許証を持っている人なら知っているはずだ。遊びがあるからこそスムーズな運転が出来る。車にはブレーキやクラッチにも遊びという余裕を持たせてある。

 列車の運行にも適用してみればいい。多くの被害者の人生がこれからという人ばかりで心が痛む。それにしても、幼児の犠牲者が一人もいなかったのは不思議な気がする。亡くなられた方々にはご冥福を、怪我をされた方々には一日も早い回復を、そして二度とこのような事故が起こらないことを願う。
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