MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

素敵な医療通訳者の傍らに・・・

2014-04-21 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
昨年のシンポジウムのプロシーディングも最終チェックに入りました。

基調講演を読み返していてあらためて、
素敵な医療通訳者の傍らには理解ある医療者がいるということを痛感しました。

基調講演をいただいた三重大学付属病院の内田先生のお話をまとめていると
こんな環境で仕事ができたらいいのになあと思います。

もちろん、この環境を最大限に生かせているのは通訳の方の能力が高いからです。
誰が通訳者であってもこの環境を作れるとは限りません。

それを理解した上でも、
これだけ医療通訳と通訳者に理解があり、
なんとかしたいと思う医療者が上司にいる恵まれた環境は
日本の中にはまだそんなにたくさんあるわけではないと感じます。

様々な場所で医療通訳者にお会いしますが、
ストレスなく仕事ができる環境にある人はまだ少ないです。
もちろん、患者さんや病院内で起きる様々な困難は仕事のうちだと理解しています。
チームの一員として、仕事をすることが、正当に評価される機会がまだ少ないのです。
医療通訳が専門職であるという認識は少しずつ広がってきていますが、
実際に医療現場に広がるにはまだ少し時間がかかるかもしれません。

私自身も無力感からいつも「やめてやる~」と叫んでいます。
「やめたほうがいいよ~」と言ってくれる人ばかりで、
私の場合は誰も止めてくれませんけど・・。
自業自得ですな。

医療通訳者ばかりが頑張っても、やはり病院の中に理解がなければ
通訳者は疲弊してしまいます。
理解ある上司を、医師を、看護師を、コーディネーターと
一緒に作り上げていくことが大切ですね。

(ここからは、ちょっとだけ愚痴)

3月4月は毎年こころの相談が増えます。

精神科に行きたい
でも、薬だけではだめだ
頭が混乱している
ゆっくり話を聞いて欲しい
母語でじっくり話がしたい

心の叫びを聞いていると軽く1時間、2時間は超えていきます。
通訳ならばこれだけの時間はほぼ不可能ですが、
話を聞くだけでもぐったりします。
母語で心の黒いものを聞いていると、こちらも黒くなる気がします。
まっすく家に帰れない日が続きます。