MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

MEDINTの講座について

2013-06-03 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
今日はMEDINTの講座のお話をします。

MEDINTは通訳派遣をしていません。
もちろん、今一番必要なのは
実際に外国人に同行してくれる医療通訳者であるということは
十分に理解しています。
その上で通訳派遣をしないことに決めています。

ひとつは私自身が医療通訳者であり続けたいので、
派遣をすればコーディネーターの役割をしなくてはいけなくなり
現場を離れて通訳者であり続けることが困難になるからです。
それはよい医療通訳になりたいという目的と相反することです。
(もちろん誰かがしなければいけない大切な仕事ですが)

もうひとつは通訳者の目線での問題提起をすることと
通訳者のコミュニティを作りたいと考えているからです。
団体が違っても、言語が違っても
医療通訳というくくりで交流出来る場所が作りたいと思っています。

今、MEDINTでは年に4回の言語分科会を開催しています。
英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語に今年からタイ語が加わりました。
中上級の医療言語向けの講座はあまりないので、
講座運営は講師と参加者に任せていますが、言語情報の交換の場所にもなっています。
同じ日に時間をずらせて5言語一緒にやるので、
休憩時間などに他の言語の方との交流もできます。

それ以外に医療の勉強会や通訳技法の勉強会もやっています。
年に1回にシンポジウムも開催しています。

会員の方には年間5000円の年会費をいただいています。
講座はこの年会費と助成金で運営していますが、
年会費だけで、どの講座を受けても追加費用はかかりません。
例えば英語とタイ語の講座を全部受けて年間8講座、
それ以外の講座も受けると講座単価は下がっていきます。
「通訳者にもっと研修の機会を」というのがMEIDNTの目的で、
たくさん勉強する人に負担を与えないというのが原則です。
また、もっとたくさんの方に会員になっていただければ
講座の数を増やすことができます。
介護や仕事などで勉強を休んでも
いつでも戻ってきてもらえます。

一番嬉しいのは会員さんがたくさん研修に来てくれること!
ゆるいネットワークを作りながら
医療通訳者の環境整備に声をあげていければうれしいです。