夏休みが始まってそうそう、あまりに痛ましい事故ですね。記事を。
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女子児童3人、川でおぼれ死亡 夏休み初日 福岡県の犬鳴川
2023年7月21日 17時49分
21日午後0時50分ごろ、福岡県宮若市福丸の犬鳴(いぬなき)川で、「友だちが川から上がってこない」と110番通報があった。県警直方(のおがた)署によると、通報から約40分後、消防と警察が女子児童3人を川の中から発見。病院に搬送したが、3人の死亡が確認された。
「嫌だ。息をして」と叫ぶ母親 夏休み初日の水難事故、児童3人死亡
3人は、いずれも同市立宮若西小学校6年生の中村優杏(ゆず)さん(11)、小野愛莉南(えりな)さん(11)、大沢奏來(そら)さん(11)。
同日夕、会見した同小の日高暢裕校長によると、3人を含む同じクラスの男女8人で正午過ぎに川に遊びに行った。当初は浅い場所で遊んでいたが、亡くなった3人を含む4人が急に川の深いところにはまり、1人は近くにいた友人2人が引っ張り上げたという。
消防によると、亡くなった3人は、いずれも溺れた場所の水深2・5~3メートルの川底で見つかった。ほかの児童は「手をつないで川の中の浅瀬を歩いているときに溺れた」と消防に話したといい、深くなった場所にはまった可能性があるという。
同小は20日に終業式があり、事故があった21日は夏休み初日だった。
現場は支流の山口川との合流地点。署によると、事故当時、周囲に大人はおらず、3人は普段着だったという。
校長が目を潤ませて記者会見に対応していたのはのが印象的でした。
それにしても川で泳ぐというのは本当にやめてほしいですね。だいたい淡水というのは海水より浮かばないし(塩水で卵が浮くのを思い出してください)、ましてや川というのは流れがあるのでさらに危険です。そして上の記事では詳細がわかりませんが、読売新聞のこちらの記事をご確認ください。
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学校などによると、この日、6年生の同じクラスの女児ら6人が集まって午前中に勉強し、別の2人と合流。計8人で正午過ぎに校区内の川に遊びに行ったという。当初は浅い場所で遊んでいたが、4人が急に深いところにはまり、うち3人が流された。残る1人もおぼれかけたが、一緒にいたほかの児童が助けた。
それで私が「おいおい」となったのがこちら。
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8人のうちの1人の女児によると、石を川面に投げて「水切り」をして遊んでいた。隣の同県飯塚市では正午の気温は31・5度。最高気温は34・4度となる真夏日。現場付近でこの女児は「誰かが『あっち(対面の岸にむかって)まで泳ごう』と言い出し、泳いだらあがってこなくなった」と涙声で語った。
で、私が思ったのが、「泳ごう」といった子は、助かったのかどうかです。4人のうち3人は亡くなったということですが、どちらにしてもこれを言い出した子どもの親は、たぶん非常によろしくない事態になろうかと思います。時に運転免許を取りたての人物が、よせばいいものを友人を自分の車に乗せて事故を起こすということがあり、それで運転席に座っている人間はこれまた往々にして助かっちゃうこともあります。そうすると、刑事上の責任や、行政上(運転免許の取り消し)の責任は仕方ないとして、民事上の責任は重大です。
だいぶ話が飛びましたが、生きていればご当人も、そうでなくても親は、まさに生きた心地がしないのではないか。どの面下げて死んだ子どもの自宅へ行けばいいのか。まったくどうしようもありません。こんなの親だって、本来責任を取り切れるようなものではありませんが、しかし子どもで未成年だから責任がとれないので、親が何らかの形で賠償するしかないでしょうが、はたしてできるのか。まともな親ならさすがにあまりの苦しさに生きるのも辛いということになりそうです。その苦しさがたぶん一生続きます。仕方ないことではありますが、ともかく非常によろしくない人生が続くということになりそうです。
で、同じ記事に次のようなまとめがあるので、引用します。お亡くなりになった子どもたちのご冥福を祈って記事を終えます。
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海に比べ川の水、浮きにくく
専門家は、安全に見える川でも、水深や流れによっては溺れる危険性があると指摘する。一般社団法人「水難学会」理事を務める、東京海洋大学の田村祐司准教授(保健体育学)によると、海水に比べて川の水は浮きにくい。さらに川はプールと違って流れがあり、川底が砂地だと足をとられやすくなる。突然、深みにはまり沈むなどして水を飲んでしまうと、反射的に呼吸ができなくなるため、自力で浮くのはさらに難しくなるという。
同学会の斎藤秀俊理事は「夏休みに入り、親が家を空ける平日は、子どもの水難事故への注意が必要。子どもだけで水辺に遊びに行かないことが重要」と話している。
水辺で遊ぶ際の注意点
▽出かける前に天気や川の情報を確認
▽子どもだけで遊ばせない
▽水の流れが速く、深みのあるところには近づかない
▽水に入る際は「膝下まで」が目安
▽ライフジャケット着用を励行
(田村准教授への取材に基づく)
◆わたしの死に方
「身近にある死の危険」の紹介漫画で、今回は「海で溺れたらどうするか?」ですね。
これについてはマンガでも指摘がありますが
◆海で溺れたら「浮いて待て!」 と注意喚起。ただし川では…|FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/articles/-/6403
「浮いて待て!」とは、衣服を着たまま、無理に泳がず、救助されるまで仰向けで力を抜き、大の字で漂流する対処法。
(引用終わり)
だそうです。「泳ぎの達人」でもない限り、下手に泳ごうとすると、体力を消耗し、かえって溺れて死亡する危険性が高くなるからです(勿論、ライフジャケットがない場合、どうやって浮くのかという難問がありますが)。
ただし「浮いて待つ」が通用するのは流れのない「海や沼、湖」など。川では流れがあるので「浮いて待つ」は残念ながら困難です(勿論それでも「浮いて待つ」方が川でもベストですが)。
また
◆海で溺れたら「浮いて待て!」 と注意喚起。ただし川では…|FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/articles/-/6403
水難学会によると、真水1に対する人の比重は0.98。そのため、真水だと体の2%程度が水に浮くことになります。2%だと(ボーガス注:立った状態だと)浮くのは頭のてっぺんのみ。
(引用終わり)
ということで通常は比重の関係で「体のたった2%しか水面にはでません」。
したがって鼻と口を水面より上に出して呼吸をするには背中を下、腹部を上にして「仰向け」になる必要がどうしてもあります。
なおライフジャケットを着用すると
◆海で溺れたら「浮いて待て!」 と注意喚起。ただし川では…|FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/articles/-/6403
ライフジャケットを着用すれば、真水でも10%程度、浮くことができます。
(引用終わり)
だそうなのでライフジャケットがあるに越したことはありません(勿論この場合でも10%しか浮かないので結局仰向けになるべきですが)。
また
◆溺れた時「助けて」と叫んではダメ。ではどうすれば?:日経xwoman
https://woman.nikkei.com/atcl/dual/pwr/056/63/
大声で助けを呼んではいけません。
要は比重の問題で、水の比重は1.0、人間は空気を吸うと0.98。しかし「助けて!」と声を出すと、肺から空気が抜けて、体の比重が水より重くなってしまいます。
(引用終わり)
だそうです。
それにしても大声で助けを読んではいけないというのは、かなり難しいですね。本能的に叫んでしまうでしょう。