拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ベランダで下着を干していたイタリアーナ(NHKの語学講座)

2020-04-21 21:42:53 | 言葉
左様に煩悩の塊の私だから、例えば子供をめぐる夫婦げんかで妻が夫に「この子を見てちょうだい」などと言ったら、その後に続く台詞は「よーく見てちょうだい。あなたに似てる?似てないでしょ?あたしがあなたの子供なんか産むと思った?うぬぼれるのもいい加減にして」が思い浮かぶ(私のことではない)。しかし、よーく考えれば「よーく見てちょうだい。あなたの子でしょ?かけがえのない自分の子なんだからもっと愛したらどうなの?」だってありうる。というか、こちらの方が普通なのかも知れない。普通でない方をまっさきに連想するあたりが私が煩悩の塊である所以であり、オペラ好きである所以である(後者の台詞ではオペラにならない)。気を取り直そう。多くの人がそうらしいが、「Zu Hause bleiben」(stay home)が叫ばれる今、私も語学をやり直そうと思ってNHKのテレビとラジオのドイツ語とイタリア語の講座を視聴している。正直、ドイツ語の初級講座は易しすぎて概ね退屈なのだがはっと思う瞬間もある。例えばラジオの初級編で、ネイティヴが「den」を「ディン」と発音するのを聞いて思わずにんまり。定冠詞の活用は普通は「デア、デス、デム、デン」と教わるが、学生んときの室内合唱団では先生の方針が舞台ドイツ語だったから「ディル、デス、ディム、ディン」。いまどき流行らない舞台ドイツ語であるが、ゆっくり発音するとやっぱり「ディ」なんだなと思ってうれしくなった。テレビ講座の生徒役は、昔「ちりとてちん」(朝ドラ)でA子を演じた女優さん。ドイツ語初心者ながら度胸が据わっていて臆さないところがいい(そうじゃなければ外国語は上達しない)。こないだの放送でも、ドイツのお店でA子が「Pils,bitte」(ピルスビールを下さい)と注文して店主が「Hefeweizen?」(ヴァイツェンビールですか?)と聞き返したの対し「OK」と言ってヴァイツェンを美味しそうに飲んでいた。いや、あれは店主の方がおかしい。いったい「ピルス・ビッテ」がなぜゆえに「ヘーフェヴァイツェン」に聞こえるのだろう。これに比べれば、勘定をしようとして「How much?」と訪ねた外国人客にハマチを握って出した日本の鮨屋の店主の方がよっぽど気が利いている。以上はドイツ語講座の話。これに対し、イタリア語講座は私には初級編がちょうどいい。そのテレビ講座で生徒役で出てる俳優さんの名前が小関裕太(こせきゆうた)。一瞬、新しい朝ドラのモデルの作曲家と同名?と思ったが、あちらは古関裕而(こせきゆうじ)だった。その裕太さんはA子以上に肝が据わっていて(しかもなかなか上手である)、シチリアロケで出会うイタリア人に片っ端から「Sono Giapponese」(私は日本人です)と声をかけている。声をかけられた方もさすがにイタリア人!いちいち「Sono Italiano(a)」(私はイタリア人です)と答えてくれるあたりは実に陽気である。そんななか、建物の二階のベランダで洗濯物を干していた若妻風のイタリアーナにやはり陽気に答えてもらった直後、裕太君と通訳氏が「今干してたの下着ですよね」とささやきあっている。それを聞いてただちに録画を巻き戻した私は語学を勉強しててもやはり煩悩の塊であった。ということで、煩悩に始まり煩悩で終わった今回の記事であった。輪廻とはこのこと(ウソ)。そう言えば、昨日、モックンが山寺でお坊さんの修行をする映画をBSでやってましたなー。

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