(承前)だから純正調で2セントだけ高くと思ってうーんと上ずってしまったら元も子もない。これを「過ぎたるは及ばざるがごとし」という。5度の純正調と平均律の2セントの差は、競馬のゴールの「首の上げ下げ」の差だ(今日はこれを言いたかった)。なお、長三度の純正調と平均律の違いは14セント。これは5度よりも差が大きい。といっても、これも意識しすぎると、某合唱団のように短三度と長三度の違いがなくなってしまう。これはそこの団員から聞いた話だが、詳しく言うとこうだ。古楽では、曲中ミに♭が付いていても最後の和音だけ♭がとれて長調で解決することが多い。ところが、♭をとったミがやたら低いもんだから、ちっとも解決しないのだそうだ。なお、「長調」と書いたが、そもそも古楽でははっきりした長調・短調という区切りはない。例えば、「ミサ・パンジェ・リングァイ短調」なんて言わない。
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