『山を上るイワナ』 村田久著 つり人社
釣りばかりの話ではなく、養蜂家や自転車旅行者との出会い、昆虫少年だった頃の話などが綴られています。
「山を上るイワナ」という題名ですが、イワナはひれを使って歩くとも言われています。
理由はというと、川の上流部に住んでいるので、渇水期には水が地下に潜ってしまって、全く水がない状態もあります。
そんな時ですね。でも歩く姿を見たという文章を見たことがないので、歩いたとしか考えられないというのが本当のところの話だったりして・・
以前、晩秋の林道に、バイクである川を訪れたことがあります。
上流部に行き、ひとまたぎできる水の量の場所がありました。
川を覗くと尺イワナと数匹のイワナがいて、文字通り、ひとまたぎして尺イワナを手づかみで捕まえました。
イヤイヤをするわけでなく、すんなりと僕の手に収まるのを見ると、イワナという魚が、より分からない魚となりました。
その時は、おせっかいにも数十メートル歩いて水量の多い場所に逃がしてやりました。
その川は、林道が開通してしまって、今は死んだ川となりました。
僕は、林道愛好家ではあるが、あれば楽しませてもらい、林道がなければないでいいと思っています。
深山幽谷という言葉がありますが、そんな場所が数多く残ってもらいたい。