かつて自転車で旅行中、九州で電車に乗る機会があり、こちらは輪行スタイル、顔は真っ黒、そんな容姿で乗り込み、いつものようにドア側の邪魔にならないようなスペースに自転車を置きました。
電車の中は、ほぼ満員で、かといって喧噪さはなく、どこかのんびりとしたムードでした。
1m位離れた場所で、その女性はつり革につかまり、華奢な身体を支えていました。
いつしか僕は、その化粧っ気のない女性を見つめていました。
視線が合うわけではなく、だからといって見つめていいわけではなく、それでも見つめざるをえない程、僕はこの人に恋をしてしまったのである。一瞬だけど・・
おそらく、いや絶対に、この女性は見つめられていたことを知っていたであろう。
季節は夏、ノースリーブの露出した肌がなんとも眩しく、始まりや終わりがあるわけでもない一瞬の恋でした。
追記
絵を入れてみました。
イメージが違いますね~。(自分で描いておきながら)
日本的な、おっとりとした綺麗な女(ひと)でした。