港区まち創り研究会(まち研)ブログ

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世界の街から63---アイルランド ダブリン

2012-10-06 08:27:48 | アイルランドの街から
 私(安藤)がアイルランドを訪れたのはおよそ10年前である。アイルランドは寒い国のようなイメージがあるが、暖流のおかげで冬でも零下にならないが、夏もあまり暑くなく過ごしやすい気候である。日本から直行便もなくあまり知られていない国である。北海道位の大きさで人口は約450万人、そのうち50万人が首都ダブリン市に住んでいる。
イギリスの支配下にあった時期が長く、1949年にイギリス連邦から独立して共和国になった。イギリスから搾取を受けていたため、独立した頃はヨーロッパの最貧国で、ヨーロッパの僻地と言われていた。かっては食料飢饉にも苦しんだ時期があった。
しかし、近年経済の成長はめざましく、2008年のデータでは人口一人あたりGDPは、なんとアメリカに次いで世界第4位で日本よりはるかに高い。何でもIT企業が集積し、ソフトウエア産業が発展しているそうである。
 私が訪れた時は、歩いている人の服装はみな驚くほど質素で、外国人に対してもフレンドリーで、とてもよい印象を得た記憶がある。搾取されていた過去の記憶をきちんと受け止めているのだろうと推測した。
アイルランドの人口10万人当たりの犯罪の発生率は0.32とEU27国で最も低くなっているのも肯ける。

・コンパクトシティ ダブリン
 首都ダブリンは都市圏では100万人を超える大都市であるが、中心部は4,5階建ての建物がほとんどで落ち着いた美しい街並みとなっている。きちんとコントロールができているのだろう。半地下を使った建物が多いのが目に付いた。
 2004年LRT(路面電車)ルアスが2路線開通したが、私が訪れた時はバスと郊外に行く電車以外には市内を走る交通機関はなかった。ほとんどの人が中心市街地から歩いて生活しているような感じだった。ダブリンには、パブが多く家族連れでも夜パブで過ごす習慣があるので、通勤には車はあまり使われなかったのであろう。
 歩いていける距離に多くの人が住んでいるのは、都市がコンパクトにできているからと考えられる。
 繁華街のオコンネル・ストリートやグラフトン大通りは、車の通行を規制しており、魅力ある歩行者空間となっている。ここで、時々、パフォーマンスが行われ歩行者を楽しませている。この繁華街には、ものすごい人が歩いているのに驚く。皆、歩くことを楽しんでいるようである。
 ダブリンも人口が増え成長しつつあるので、最近地下鉄の計画が発表された。
2009年には市営のバイクシェアリング(自転車)ができ、かなり便利に使われているようである。バイクシェリングはコンパクトなダブリンでは適した交通手段であろう。
 再開発も行われているようであるが、中心市街地の縁辺部で中心市街地はきちんとコントロールされているようである。
 超高層ビルが林立しなくても、密度の高いコンパクトシティが形成され、車より歩行者や自転車が便利な街ダブリンは一つのまちづくりのお手本である。しかも、着実に経済発展をしているし、犯罪の発生率も比較的少ない。
超高層ビル=経済発展と考えている人は一度ダブリンを訪れるとよい。

4,5階建ての建物が多い 半地下を利用している

新しい集合住宅はきちんと統一されている

グラフトン大通り 人がいっぱい歩いている 繁華街でも高さは低い

グラフトン大通り ちょっとした大道芸が行われている

とにかく歩いている人が多い

趣のある街なみ

路地空間

オコンネルストリートにある中央郵便局

人通りが多い

新しいデザインのビル

ダブリンのシンボルのトリニティ・カレッジ

800年前に立てられたクライストチャーチ大聖堂

公園の入り口

新しい産業の拠点地区


テンプルバーの中の木をいかしたアイルランドパブ 中もきれいである
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