港区まち創り研究会(まち研)ブログ

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世界の街から16---イタリア シエーナ 広場と路地の街

2011-08-20 12:34:30 | イタリアの街から
世界の街から16   イタリア シエーナ  広場と路地の街

シエーナ 迷路のような路地

カンポ広場と周辺の建築物

 イタリアの都市には必ず広場があり、イタリア人は都市の生活空間として上手に使っている。夕方の広場は人で一杯になっていることもある。そこで、人に会い話をしたり、なんとなく集まったり、ぼんやりしたり、その人なりに広場を楽しんでいる。広場がギリシャ・ローマ時代から政治の討論の場、社交の場、商取引の場として使われていた伝統があるのだろう。
 日本の都市空間では広場は少ない。広場があってもうまく使われていないのがほとんどである。広場を通り過ぎていく人が多く、そこに留まる人はあまりいない。市民社会としての歴史が浅く、生活空間として根付いていないためであろう。
フィレンチェからレンタカーを借りてシエーナを訪れた。シエーナは、中世にできた都市で、イタリアでも最も美しい広場と言われるカンポ広場がある。シエーナの街は曲がりくねった路地が多く、迷路のようである。カンポ広場は丘の上にある。カンポ広場のマンジャの塔は遠くからでも見えるが、広場はほとんど見えない。

遠くから見る広場周辺

路地を通り抜けると突然、広場が現れるしかけとなっている。上から見ると、このカンポ広場を中心に街がつくられていることがわかる。


路地を抜けると広場になる
 カンポ広場は、扇が開いたような形で扇の要になる部分が最も低く、そこから緩やかな斜面になっている。要になる部分で演説とかパフォーマンスが行われる想定になっているのだろう。広場に面してカフェがあり、外に座っていつまでも広場を見ることができる。

カンポ広場

カンポ広場

カンポ広場

広場に面したカフェ
美しい広場とは何かというと、広場の周りの建物との一体感、調和がとれているかが一番のポイントだろう。広すぎても、狭すぎてもいけない。マンジャの塔を中心に広場を取り囲む建築群のまとまりが素晴らしい。建物のバルコニーから広場を見渡せるようにできている。カンポ広場では毎年、裸馬の競馬が行われるが、バルコニーは、この競馬を見る人で一杯になるようだ。
広場から別の路地を抜けると、シエーナの大聖堂(ドーモ)が現れる。大聖堂は大きくはないが、壮麗で気品があり美しい。ドーモの前にも広場があり、人が集まっている。

壮麗なドーモ

路地空間とドーモ

路地区間

路地空間
港区にも、誰でも使える美しい広場があるといいなあと思う。いろいろなイベント、市民集会が行われ、あるいは誰でも傍聴できる青空区議会も開催されたら素晴らしいのではないだろうか。
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