港区まち創り研究会(まち研)ブログ

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神奈川県県立近代美術館鎌倉館の保存について

2014-01-28 12:06:06 | 建築
1月28日付けの朝日新聞に神奈川県立近代美術館鎌倉館の保存について取り上げられていた。
このブログでも取り上げたことがあるが、鎌倉八幡宮と県との借地契約が2年後に終わるためである。
松隈洋京都工芸繊維大学教授は「コルビジェが西洋美術館を設計する時に、この美術館を視察している。西洋美術館の設計に影響を
与えた建物である。両者は兄弟的な存在で同じ価値がある」。
建築史家の藤森照信氏は「妹島和世さんらが世界的に評価される日本の現代建築の軽快さの源流といえる」、安藤忠雄氏「文化が継承すべき自治体による解体など考えられない。日本人の文化に対する考え方が問われている。」など保存に対する賛成意見が掲載されている。
私が始めてこの建築を見たのは、小学生の頃、父に連れられて鎌倉に行った時で、できてまもないこの建築を見て、池に映えるピロティの美しさに感動した記憶がある。
坂倉建築事務所の人に聞くと、この美術館相当傷んでおり修復するのは大変、修復するには相当手を入れないと存続は難しいとのこと。文化庁記念物課は「建物の存続のための補強や改修といった現状変更には許可が必要。判断に幅があるが、美術館はある意味、地下遺構を壊して建っているので、修理・修復でこれ以上壊すのは望ましくない。建物が重要文化財なら、価値は5分と5分なのだが」と建物の保存にやや否定的である。
いろいろハードルはあると思うが、建物と周囲の環境も含めてぜひ保存に取り組んでほしいと思う。

コメント
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