昨日まで童謡を歌っていた幼児が、突然大人っぽい歌に接して戸惑ったというのが、私の『荒城の月』体験である。朗々として静謐なメロディーは子ども心にも心地よいものだったが、歌詞の意味はチンプンカンプンだった。作曲した瀧廉太郎という名前は響きがいいからすぐに憶えた。作詞が土井晩翠であることは、かなり後になって知った。豊後・竹田の岡城址にやって来て、催して来る感慨はその程度なのだから情けない。 . . . 本文を読む
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