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今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

293 渋川(群馬県)・・・四つ角は日本のへそぞ上州路

2010-08-22 00:08:51 | 群馬・栃木
群馬県の北部に渋川という街がある。特色を挙げることに難渋するほどの地味な街だが、高崎から北へ向かう旅人が沼田から越後へ、あるいは西にそれて草津から信州へ抜ける時、この地で道を分ける追分的宿場町として暮らしが営まれた。そして伊香保温泉の玄関口として、湯治客が通過した街でもある。私がここで社会人の第一歩を踏み出したのはちょうど40年前のこと。40年という時間は、街をどこまで変えるものだろうか。 4 . . . 本文を読む
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289 高崎(群馬県)・・・上州の夕日を浴びて何語る

2010-08-07 14:11:11 | 群馬・栃木
高校生が3人、茜色に変わり始めた西の空を眺めている。下校途中に立ち寄ったのか、ここは高崎市役所の最上階展望ルームだ。丘陵の向こうに、特徴的なシルエットを見せているのは妙義山で、高崎からはほぼ真西にあたる。高校生は女子2人に男子が1人。クラスメートだろうか。群馬はいまだに男女別学の高校が多いのだが、どこの生徒たちだろう。故郷の山河を見晴らし、進路のことでもおしゃべりしているのだろうか。青春だなぁ。 . . . 本文を読む
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288 足利(栃木県)・・・《學校》の額を掲げる風雅の都会

2010-08-05 16:05:03 | 群馬・栃木
《日本史の奇跡》を問われたら、その一つに《足利学校》を挙げたい。世の中が猜疑心と陋習による悪意に満ちていた(ような印象がある)中世にあって、琉球からも学徒がやって来て、かのザビエルが「最大にして最も有名な坂東の大学」と世界に紹介した《大学》がこの地方都市に存在したこと。そしてそこが「野山に働く人々も漢詩を口ずさむ風雅の都会」と讃えられる知的生活に満ちていたこと。これは、奇跡でなくて何であろう。 . . . 本文を読む
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287 渡良瀬(栃木県)・・・ヨシ原を駆け抜け行くは将門か

2010-07-23 13:00:54 | 群馬・栃木
《遊水池》と呼ぶのか、あるいは《遊水地》が正しいのか、広大なヨシ原が広がっている。わずかな面積でも私有権を争い、隅々まで耕作に使い尽くして来た日本民族の土地に対する観念が、ここを眺めていると狂い出す。平坦部でこれだけの未利用地が放置されているのは、北海道の原野を除けば他にないのではないか。だが狂っているのは当然なのだ。日本の未熟な近代化政策が、鉱毒によってこの不毛の地を生んでしまったのだから。 . . . 本文を読む
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283  益子(栃木県)・・・土を踏み土を喰ろうて土を焼く

2010-07-10 20:13:22 | 群馬・栃木
紬の街から陶芸の里へ、旅は《手仕事》を堪能しながら続く。結城から国道50号を東に行くと、間もなく常総バイパスとクロスする大きな交差点に出た。そこから北に向かえば今夜の宿泊地・益子だ。途中、左手に望んだ街並みは真岡だったのだろう、常陸国の西端にいたわれわれは、再び下野国に入っている。結城から益子へ、存外に距離があって、さしもの関東平野も尽きたのか、しだいに丘陵へと誘い込まれ、日はいささか傾いた。 . . . 本文を読む
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167 高崎(群馬県)・・・平和とはこのことを言う広場かな

2008-10-14 23:31:04 | 群馬・栃木
高崎市の東郊に「群馬の森」という県立公園がある。明治百年を記念して、建設省が全国で進めた森林公園整備の群馬版として建設され、昭和49年にオープンした。そのころ私は群馬で暮らしていて、公園と同時に開館した県立美術館に出向いて開館記念展を観たのだった。群馬出身の作家を集めた企画展で、湯浅一郎、山口薫、福沢一郎らがメインだったように思う。久しぶりに立ち寄ると、また山口薫展が開催されていた。 公園はト . . . 本文を読む
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165 前橋(群馬県)・・・初任地のケヤキはともに歳を取り

2008-09-28 22:32:41 | 群馬・栃木
前橋は、私が社会人の第一歩を踏み出した街である。人はだれもがそうした街を持っているわけで、よく耳にするのは「転勤でいくつかの街で暮らしたけれど、初任地がいちばん懐かしい」という感慨である。私も全くそうした一人なのであって、前橋は懐かしさに満ちているのである。ローカル線しか通らない小さな駅も懐かしく、県庁に続くケヤキ並木の樹肌も懐かしい。空を仰げば、澄んだ空気の先を流れる白雲さえも懐かしく感じるの . . . 本文を読む
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