日々適当

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思うところ

与太話 |2007-10-26
父が亡くなったことはさっき書きました。
死因なのかは分かりませんが、がんが原因となっての死でした。がんであると確認されてからわずか3ヶ月。あっという間です。その過程でいろいろ後悔したりと思うところはあるのですけど、その中で、特に感じたことを書いてみます。

それは、んー、そうだな。少年マガジン連載のゴッドハンド輝の10/10発売号あたりの内容だったと思いますけど、患者(あるいは家族)に状況説明を行う場合、最悪の状態を説明するだけで、希望を持たせる事をいっさいしていないじゃないか、って場面がありました。
まさに、父について説明を受けたとき、そのような感じでした。
もちろん、末期な状況であることは明らかであることから、快方に向かうための治療というのが非常に困難であるという判断は今では分かりますから、ゴッドハンド輝における状況とは事態が違う事は理解しています。
していますけど、もうちょっと何とかならんものか、って思ったりしました。

っていうか、「現在は説明された最悪の状況から見るとずいぶんと状態がいい」って状況を見ていると、医者が話す予想が「あぁ、今回も最悪の事態を説明してるんでしょ?」ってとらえかれないと思うんですよね。おおかみがくるぞー、ですね。あまり希望的なことを話して、それが裏切られたときに患者や家族から恨まれたくない、ってのは理解できる心理ですけど、そこで終わらない何らかのフォローは必要なのではないか、と強く感じました。まぁ、説明を受ける側がなかなか最悪のその説明を受け入れる気がない、というのも原因だとは思いますけど、してみると、医者というのは話を行う資質というのも非常に重要ですね。まぁ、大変な職業です。

ちなみに、そんな状況の中で、西洋医学方面から唯一希望を持てそうだったのが、『現在のガン治療の功罪~抗ガン剤治療と免疫治療』というブログをやられている先生の治療法です。
しかし、それを行う機会はついにありませんでした。僕自身の治療方針における後悔といえば、それが一番大きいかな、という感じです。
ぜひ、何らかの「エビデンス」を確立して、広くさまざまなところでこの治療が受けられる時代が来てほしいものだ、と思います(今現在、明確にそのような治療法が標準的治療法よりかはよい方法であると意識して治療を行ってくれるところはわずかであろうと思われます。本当によい治療法なのかは分かりませんけど、少なくとも、父の病状では希望を持つことができる治療法なのではないか、って思えました(実際に診てもらったら、やっぱりダメだ、ってことになったかもしれませんけどね)。だから、本当に切にそう思います)。
コメント ( 4 )|Trackback ( )
 
コメント
 
 
 
毒も持って毒を制す (Hiro)
2007-11-02 17:02:10
コメントしようかどうか迷っていたのですが、ちょっとしてみます。

まずはお悔やみ申し上げます。

ブログの更新も普段以上に精力的になされているような感じを受けていますが、近しい人間の死というのは、そのときにはあまり現実感がなくとも、後からひしひしと悲しみを受けることがあると思っています。同じような状況だったことがあるので、要らぬお世話とは存じますが、ぜひご自愛ください。

この記事で紹介されている梅澤さんの考え方は興味深かったです。

私の身内は、転移が進んでいてあまり意味がないとして、ほとんど抗癌剤治療をされずに、退院することになりました。その後、放射線治療やホルモン剤の服用などを続け、一時期はモルヒネが手放せない状態だったのですが、いつの間にか腫瘍マーカの値も落ち着き、鎮痛剤も不要になってしまいました。

退院時は治療方針に不満で、保険の利かない抗癌剤のカクテル療法を行っている著名な医師のカウンセリングを受けにいったりもしたのですが、結果的にはきつい抗癌剤治療を行わなかったことがかえってよかったのでは思っていました。梅澤さんの考え方は内心私が考えていたことと近いような気がしたので、ちょっとコメントしてみたくなりました。
 
 
 
Unknown (m4g)
2007-11-02 21:22:37
ありがとうございます。

ご身内の方のケースは多分稀なことなのでしょうけど、そのようなことがおこることを否定しきれない人体の不思議といいますか、そんなことを今回のことでずいぶんと感じました。
それで、その不思議さを引き出す方向の治療をそれなりの根拠と実績を持ってやってらっしゃるところに魅かれたリンク先の先生の治療法にずいぶんと感銘を受けたものです。

そんな可能性を感じさせ、患者の心に優しい(前向きになれる)状況が将来、一般のそこかしこの病院に広まってほしいものですね。
 
 
 
Unknown (Hiro)
2007-11-05 11:15:03
結局のところ、不思議、と言われるような回復例などは、医学的に統計が取れて効果が測定できる/されるようなケースが少ないので、それが医学にフィードバックされることがあまりないのでしょうね。アメリカの事例でしたが、プラセボだけで癌がみるみるうちに小さくなった患者さんもいたそうです。

病は気からという言葉がありますが、人間の治癒力・免疫力をうまく生かす治療(方針)がもっとあってよいのかもしれません。
 
 
 
Unknown (m4g)
2007-11-06 10:08:40
病は気からってのは全くそうであろうと最近は感じます(父の場合も状況の悪化の原因の一端はそこにあったのではないか、って思っていますし)。

従来の西洋的な治療を行う医者をサポートする立場で、その方向性を実践する人間がいてくれるといいですね(それには、コストの問題がありそうですが、いい方向に動いていって欲しいものです)。
 
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