日々適当

hibitekitou

ウルトラ

mac |2023-06-06

M2もUltraが出ました。Extremeも計画されていたけどキャンセルされたって過去の噂で流れたことがありましたけど、Mac Proはそれを積みたかったんだろうなぁというのはともかく。ウルトラ。搭載している各ユニットの数字だけ見ると、

  M1 Ultra M2 Ultra
最大メモリ 128GB 192GB
メモリ帯域 800GB/s 800GB/s
CPU 20(高性能コア:16/高効率コア:4)

24(高性能コア:16/高効率コア:8)

GPU 64 76
Neural Engine 32 32

って感じでCPUの高性能コアの数は変わらず、GPUは1.2倍弱の数って感じなんで、あんまり速くなっていないのかなーなんて思うわけです。

Mac Studio [Apple]の製品ページに速度を比較したグラフが出てて、数字は載ってないけどM1/M2 Ultra同士の比較が視覚的にできるようになってます。せっかくなので棒の長さを比較してみました。M1 Ultraを1としたときのM2 Ultraの長さを記してみます。

3Dレンダリング:3.4
OTOY Octane X Prime 2022.1.1で複雑なマテリアルと3,500万個の三角形を含むシーンを使用しテスト
ビデオ処理:1.14
Topaz Video AI 3.2.0で、45秒の1,920x800 H.264ビデオファイルを2倍にアップスケーリングしてテストを実施
ビデオ編集:1.32
8KのProRes 422メディアを含む複雑な5分のプロジェクトを使用し、リリース前のFinal Cut Pro 10.6.6でテスト
3D操作:1.21
Autodesk Maya 2024でアンビエントオクルージョン、4x MSAA、ライティングを有効にしたMayaのビューポートで描画した600万個の三角形と200個以上の高解像度テクスチャを含むシーンを使用しテスト
ビデオのトランスコード:1.86
Compressor 4.6.4でテスト
コードのコンパイル:1.22
Xcode 14.3とApple Clang 14.0.3、Ninja 1.10.0.git、CMake 3.25.0を使用してオープンソースプロジェクトをビルド
カラーグレーディング:1.50
DaVinci Resolve Studio 18.5にて空間ノイズ除去エフェクトを適用したプロジェクトを使用
写真の編集:1.22
Photoshop 24.4.1で複数のフィルタを実行してテスト

という感じでした。概ね1.2倍あたりだけど、一部、それを大きく超える数字を出している処理があったりします。3Dレンダリングとビデオのトランスコードですけど、それら処理はM1 Maxに対するM1 Ultraの性能もそんなに出ていない印象があります。M2の方が性能が出やすいってあったりするんですかね。そんな結果を見ると、M1 Max Mac Studio持ちとしては、ぐぬぬと思うわけです。まあ、いいんですけどね。
ともあれ概ね1.2倍の性能アップでは、特にGPU処理においてPC方面のミドルレンジとも勝負にならないだろうということは悲しいことでございます。

余談ながらApple Vision ProにはM2が搭載されているわけですけど、無印のM2とするなら、そこまでグラフィックをぶん回すようなパワーはないことが予想され、だから高品位なVRを表現するというのには役者不足な可能性は高そうです。そんな用途で美麗なグラフィックを使用するとき、PC方面ではGeForce 4000番台をぶん回している世の中なわけで、とてもとても無印M2では性能が足りないでしょう。これがVRもいい感じになる将来が来るのか、そこは興味深く見守っていきたいなと思いました。

<追記>6/13に発売開始されベンチマークを取る人も出てきたようで、で、GPU性能はM2 MaxがM1 Ultraに匹敵するって話もあったりします。

M2 MaxチップのGPU性能はM1 Ultraチップに匹敵 [気になる、記になる…]

上記ベンチマークは実際のアプリでの結果ということですが、GPUでの処理が効率的に行われるようになったらしく、その結果としてM2 MaxはM1 Ultraに迫る・超える性能を見せる場面が出てきて、さらにM2 UltraはM1 Ultraの倍ほどの性能を示す場面もあることが示されています。
GPU重視なら、M1 Ultra Mac Studioの整備品・セール品を買うよりM2 MaxのMac Studioを狙うのが良さそうですな。ちなみに現在(6/20)のM1 Ultra MacStudioの整備品の価格は128GBメモリ、2TBストレージ、20 Core CPU/64 Core GPUで717800円だそうです。M2 MaxのMax Studioは96GBメモリ、2TBストレージ、12Core CPU/38Core GPUで522800円なので、だいぶ予算を圧縮できますかな。</追記>

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WWDCキーノート

mac |2023-06-06

日本時間6/6 午前2時。眠い目を擦りながらライブ配信を観てました。とはいえあらかじめ作り込まれた映像が配信されている形態でありがたいことに日本語字幕もついてて、眠くなることもあんまりなかったです。眠くならなかった原因のもう一つの理由として、冒頭に新しいMacの発表があったってこともありますかね。

新型は15インチのMacBook AirとM2システムに更新されたMac Studio、AppleSiliconに更新されたMac Proでした。先週末ぐらいから噂に上がってきてた内容の通りです。
MacBook Airは昨年のWWDCで発表されたMacBook Airの13インチモデルが15インチになりましたーってものだけど、容量の大きな筐体になることで13インチの4スピーカーに対して6スピーカーを搭載してきており、音質の向上が期待されます。ディスプレイは13インチの2560x1664に対して2880x1864と320x200分だけ表示領域が拡大しています。このドット数は2018年のMacBook Pro 15インチモデル(2880x1800)とほぼ同じということになります。3年のAppleCareをつけて24GBメモリ、2TB SSDにすると401600円ということです。

Mac Studioは昨年の3月に発表・発売されてから1年3ヶ月での更新ということになります。なかなかまともなサイクルです。こっちはM1 Max/UltraがM2 Max/Ultraになりました、って内容ですね。M2になったことで最大メモリ搭載量が192GBまで上がりました。モニタ出力についてはHDMIが2.0以上になったことで8K/60Hzや4K/240Hzに対応しています。M1 Max Mac Studioを使っている自分としてはそこの部分は羨ましいなと思うわけです。

そしてMac Proです。Mac Pro 2019と同じデザインの筐体を採用し、M2 Ultraを搭載しての発表となりました。演算性能はだからMac Studioと変わらないはずです。Appleの製品紹介のページではMac Studioが演算性能を最大にカスタマイズしたiMac 2020との比較、Mac Proが演算性能を最大にしたMac Pro 2019との比較になっているから、お互いの性能差はわからないけど、たぶん、同じなんだろうと思います。
Mac Proの価格は日本円で1048800円から、Mac StudioのM2 Ultraモデルは598800円からですから、計算の性能が同じでこれだけの価格差があるのにMac Proを選ぶ理由は何かと言われれば、それは拡張性ということになります。しかしMac Proは基本構成で100万円超えですか…

PCI Express Gen4のスロットを6本。Gen3を1本内蔵しています。7本のPCIeスロットがあるってことですね。そのうちGen3の方はApple I/Oカードが装着された状態で出荷されているから空きは6スロットとなります。Thunderbolt 4ポートは背面と上面を合計して8つ。HDMIは2つ(1ポートごとに上述の8Kや240Hz出力に対応している模様)、10Gbのイーサーネットポートが2つ。こういった内容を求めてMac Proを選ぶということになりますな。
PCIeスロットについてはMPX Moduleではないらしいので、現在Apple Storeで売られているMac Pro 2019用のアクセサリは使えないでしょうし、ビデオカードもおそらくサポートされていないでしょう(NVIDIAやAMDがドライバを用意できれば使えるのでしょうが技術的にも難しいのかね?)。AJAやBlackmagicといったビデオ系のメーカーから出ているカードやオーディオインターフェース、10Gより高速なネットワークカード、大容量もしくは高速ストレージを内蔵したい方々が利用する製品ということになりそうです。

Macの発表後は次期OSについてのお話に話が及びました。macOSはmacOS 14 Sonomaになります。カタカナではソノマとなるみたいですね。デスクトップにウィジェットを並べる使い方ができるようになってましたがファイルアイコンでデスクトップを散らかしている場合、それらアイコンはウィジェットを避ける形で配置されるのか?と少し気になりました。macOS上で動作するようになるゲームの紹介でコジマプロダクションから小島秀夫監督が登場しておりましたね。その他iOS, iPadOS, WatchOS, tvOSといった連中の紹介をふーんって眺めておりました。SiriがHey,SiriではなくSIriだけの呼びかけで起動するようになるのはとても良いことだとは思いました。

その後Web上で発表されている情報によると、macOS 14は2018年以降のMacが対象に、iPad OS 17は初代iPad Proがついに足切りされました(自宅で使用しているもので、さて、どうしたものかと思ってます)。iOSはiPhone X以前が対象から外れました。iPhone 8は2020年4月に販売終了してますから、その最後の時に買った人は3年ちょっとで最新OSに上げられなくなるってことっすね。まあ2017年9月にリリースされたモデルでもあるので、それは仕方ないとも言えそうですが、とにかく安く買いたかった人(イコール長く使いたい人だろうなぁ)はちょっとおこるかもしれませんな。一般的には3〜4年使ったら買い替えろってことすかねぇ。WatchOSはApple Watch Series 4以降をサポートということでほっと胸を撫でろしております。

そして最後にApple Vision Proが発表されました。ARヘッドセット。その造り込みにちょっとびっくりしました。目があたる面にディスプレイが配置されているのは当然として、装着している人の状態を表示するためにヘッドセット前面にもモニタがついている。周囲の人に視線を知らせることができるし、その必要がないときはその視線を隠すことができるってわけですね。で、本体はセンサーやカメラの塊であり、ソフトウェアとの組み合わせで装着時の違和感を無くすよう気を配っている様子が伺えます。その造り込みから50万円ほどの価格設定になっており、一般向けに何処まで売れるのか(その売れ行きにより発達するエコシステムが何処まで拡大するのか)が気になるところですが、これを皮切りに、時間をかけて浸透させていくための手を継続的に打っていくのだろうなとの意気込みは感じました。

ということで、Apple Vision Proのためのキーノートといった趣であった今年のWWDCのオープニングでしたが、そこで出なかった技術的なお話がWWDC内でどれだけ明らかになるのか、興味深い話題が出てくるのか、ちょっと楽しみな1週間が始まりました。

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