![]() ★陸中八木駅。 一時、ネット上に「駅舎流失」という情報が流れていたが、新駅舎(2008/3完成)は流失を免れていた。 周辺の施設、フェンスは、すべてなぎ倒され、崩壊。 昨年の夏に訪れたとき、ピッカピッカだった保線車両も無惨に横転。 新駅舎だけがポツンと在る。 向かって左側の資材管理&WC棟は津波が突き抜けたようで、窓枠、扉が失われている。 反対側の待合室は元のカタチをとどめている。 ★有家駅。 駅舎は無事。 プラットホームの陸中中野側が一部損壊。 しかし、いちばん心配していた有家浜沿いの線路は津波に押し流され跡形をとどめていない。 秘境駅情報で「駅前に家2、3軒」と紹介されていた家屋は全壊。 現在、八戸線は、八戸駅~鮫駅間で運転本数を大幅に減らして運転している。 しかし、鮫駅~久慈駅間の上下線は見通しがたっていない。 今回の知人提供の情報から判断すると、全線開通までには相当の困難が立ちはだかっている。 ★昼過ぎ、脳に「鬱屈」が折りたたまれ、折りたたまれ、異様に蓄積される観念に襲われ、気を変えるために、散歩に出る。 まず、いつもの、自称「鯖を語らせたら一番目の男」(板長)のホテルが見える急坂を海抜90メートルまで、一気に上る。 次に下る(こころはろばろ神社境内下=海抜50メートル)。 再び上る(こころはろばろ神社境内=海抜70メートル)。 下る(浄水場跡=海抜40メートル)。 上る(水道公園=海抜73メートル)。 下る(旧DAKA古書店=海抜25メートル)。 トータル6000歩のアップダウン。 爽快。 ひんやりとしたDAKA古書店内で、汗を拭き、着替え、片隅のテーブルで、けさ、手鍋焙煎したばかりのマンデリンを淹れる。 そのとき、ふと、テーブルの上にメモを見つける。 メモ=「仕事を3月中に安定軌道にのせる」 「仕事」とは「『(学校・家庭・地域の)教育の情景』の枠の中に限定して『(今年のテーマ=)茫漠の時空間疾駆をやる』」ことだ。 途についたところで、今回の東北関東大震災。 僕の10代中・後半から、僕の精神的時空間の、現実と非現実の境を支えるポイントでありつづけた、鮫、陸中八木、有家、田野畑、宮古、気仙沼、小高、九十九里等の被災により「僕の半分が壊れる」。 「見るべき程の事は見つ」(『平家物語』)の心に近い。 しかし、自己を破壊しつくすことなく、生き延びて、「鮫、陸中八木、有家、田野畑、宮古、気仙沼、小高、九十九里」等と、現実と非現実の境の地名をカタカタと打ち出したとき――まだ「仕事」(正常)には戻れないかもしれないけれど――「ああ、これだ」というモノをつかんだ。 それは、「非現実」から「現実」に、あるいは、「内の実証」から「外の実証」に突き抜ける道(方途)だ。 ![]() ★関連記事 ・「廃虚ブームの流れを受けて戦争遺跡の見直し」を自分の仕事に絡ませて(=こじつけて)新しい世界の創出 ・柳田国男が小子内浜に訪れ『青光館哀史』を記述してから約90年。大阪の高校生だったわたしが『青光館哀史』を読んでから約40年。歌い手の声を聴き、踊りを見、ビールを飲んでいると、柳田の生、わたしの生、そして小子内の人々の生、それぞれ別の生が、きしみながら蠢いている幻覚にとらえられた ★公式ホームページへ ★WEB無人駅線ページへ |
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