万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ウォール街は”おもいやりの心”を

2009年03月30日 15時20分59秒 | 国際経済
ボーナスという責任 憤る世論を前に金融業界は――フィナンシャル・タイムズ(フィナンシャル・タイムズ) - goo ニュース
 金融と他の産業との大きな違いは、金融の方が、失敗の連鎖性が極めて高いことにあります。一般の企業が倒産たり、経営が傾いても、その影響は限定されていますし、自己責任と見なされますが、金融の場合には、失敗すると一般の人々の生活まで巻き添えにしてしまうのです。

 金融危機の発生以来、金融業界は、世論の激しい批判を浴びているようです。前もって、この連鎖性をよく理解していれば、あるいは、投機的なマネー・ゲームに奔走することもなかったかもしれません。ウォール街の人々は、自分ひとりでゲームをしていたつもりが、実のところ、その後ろには、世界中の人々が連なっていたのですから、負けた時の責任は重大です。誰ひとり顔見知りではなくとも、ゲームに興じる人々は、他の人々の生活をも背負っていたのです。

 ウォール街の人々は、世論の怒りを受け止め、今後は、他の人々のことを考え、責任感をもって行動すべきと言うことになりましょう。ほんの少しでも他者に対する”おもいやりの心”があれば、金融危機は防げたかもしれないのですから。

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コメント (2)
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