万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

忍び寄る中国軍事大国化の恐怖

2009年03月05日 15時46分27秒 | 国際政治
中国国防費14・9%増 21年連続2ケタ、高まる脅威論(産経新聞) - goo ニュース
 尖閣諸島やチベットの対応でも分かるように、中国は、国際法を守るつもりなど、さらさらないことは火を見るよりも明らかです。もし中国が、軍事大国として覇権の確立を目指すとしますと、日本国を含めた周辺諸国には恐ろしい結末が待っているかもしれません。

 第一に、中国が掲げる正義とは、自己中心的な正義であることです。中国には、資本家や地主の搾取からの解放を根拠に他国を侵略した前科があり、チベットもその犠牲となりました。日本国の場合には、”南京大虐殺”への報復や”尖閣諸島の侵略”などが、一方的な戦争事由とされるかもしれません。

 第二に、中国には国際法に対する遵法精神がありませんので、一旦、中国に占領されたが最後、主権が戻ってこない可能性があります。アメリカの場合には、自由と民主主義を広げることを旗印にしていますので、たとえ軍事力で占領しても、最終的には相手国に主権を返還します。

 第三に、中国は、人口が多いためにか、人道や生命に対する感覚が極めて低いことも不安要因の一つです。人民解放軍が、国際法にのっとった行動をとるとも限らず、軍事行動に伴って、戦争法違反や残虐行為を行うことも十分に予測されます。

 中国の軍事力を抑えるためには、1)抑止力として自国の軍事力を高める、2)包囲網を構築する、3)中国の経済発展を抑える・・・といった方法が考えられますが、こと中国に関しては、人民解放軍の文民統制もままならぬことを考えますと、楽観主義は禁物なように思うのです。

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コメント (17)
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