万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

長距離ミサイル時代の集団的自衛権は迎撃

2009年03月14日 15時35分16秒 | 日本政治
北ミサイル、迎撃できるのか 首相の政治決断急務 技術、法的な壁(産経新聞) - goo ニュース
 第二次世界大戦と今後想定される戦争との重要な相違点は、長期距離弾道ミサイルの使用が戦争の趨勢に決定的な意味を持つことではないかと考えられます。特に、太平洋を挟んだ国家が激突するとなりますと、飛び道具こそが最大の攻撃力を発揮するかもしれないのです。

 長距離ミサイルの攻撃力を考慮しますと、アラスカまで届くとされる長距離ミサイルを北朝鮮が手にするとなりますと、太平洋の軍事バランスは微妙に変化することになるもしれません。小型化された核弾頭を搭載できるとなれば、なおさらのことです。このことは、日本国政府も、集団的自衛権の行使について、これまでの解釈を再検討する時期に来ていることを示唆しているとも言えましょう。何故ならば、同盟国に向かって発射されたミサイルを迎撃しないとすれば、同盟関係を無意味なもの、あるいは、無力なものにするからです。ミサイルが最大の武器となる以上、飛来するミサイルを協力して撃ち落とすことこそ、同盟国間の最大の共同防衛となるのです。

 法制上は、アメリカに向かうミサイルは迎撃できない理由は、集団的自衛権はあるけれども使えないという、不可思議な政府解釈があると指摘されています。長距離ミサイル時代の到来を真摯に受け止め、政府は、この解釈の見直しに着手すべきと思うのです。

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コメント (11)
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