暴騰

毎度しんどいと思い始めたころにやって来る連休に、格別の有難みを
感じる今日この頃であるが、台風が接近しているとかで、買い出しの
タイミングを考えておかねばならないのが悲しい所。
とは言え、電車に10分以上乗るほどの距離を移動する予定も無く、
専ら家に居るつもりであるから、連休も問題なく堪能できるであろう。

そしてここ最近、値段の高騰によりすっかりフィギュアを買わなくなってしまった。
ちょっと欲しいと思っても値段を見たら諦めがつくような、そんな状態。
値段を見てもなお欲しいと思えるものは結局買っているが、割合としては
激減したと言って良いレベル。
おそらく周囲もそのような状態で、出る品が『サイズ大きめ』『バニー』に
偏りつつあるのを見るにつけ、客層が経済的に比較的余裕のある独身男性という
のがくっきり炙り出されているようで色々とわびしい気持ちになる。

1/6スケールのフィギュアを数体飾れるようなスペースがある既婚男性は
多くないと予想でき、その上バニーやら何やらで性癖を微塵も隠す気がない
アイテムと来れば、もはやこれは完全に独身貴族御用達と言えよう。

なぜフィギュアを買うのか、と問われれば『元気が湧いてくるからだ』と
答えるが、何事にも適正価格というものがあり、ついでに分相応という言葉もある。
もっと言えば生来の貧乏性がこの湧いて出る喜びに水を注すのである。
ささやかな、本当はそんなところから始まった喜びが、気が付けば随分と高く
付くようになったものだ。
それはつまり昔日は当たり前のようにあった、そんなささやかな喜びも今では
ひどく貴重になってしまった、ということかも知れない。