こうじ神父今週の説教

日曜日の福音メッセージをお届けします。

四旬節第5主日(ヨハネ11:1-45)人と人の絆を引き裂く死を神への絆に変える

2020-03-28 | Weblog
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こうじ神父
「今週の説教」
2020/3/29(No.1053)
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四旬節第5主日(ヨハネ11:1-45)
人と人の絆を引き裂く死を神への絆に変える
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四旬節第5主日、この時期になっても新型コロナウィルスの終息の見通しは立たず、いよいよ来週には聖週間に入ることになりました。困難なときほど、教会堂に集まったときだけの信仰で終わらず、どこに行っても、どこにいてもカトリック信者。この精神で日々を過ごしたいと思います。

個人的な話ですが、立て続けに大腸検査、胃の内視鏡検査などおもな検査を受けました。胃と、小腸十二指腸には処置の必要な症状はありませんでしたが、大腸は4ヶ所ポリープができていて、そのうちの一つは「腺腫」(アデノーマ)という状態に変化していたそうです。まぁ、これから毎年検査を受けて、用心したいと思います。

今週の福音朗読箇所では、「ラザロの死」と、「ラザロの生き返り」に注目したいと思います。特にラザロの生き返りには、イエスがラザロを呼ぶこと、社会との絆を絶たれていたラザロがイエスによって絆を回復していく様子を取り上げたいと思います。

ラザロに関する記述からすると、彼は年齢や病気、特別な命の危険を感じさせる理由は見当たりませんでした。人は必ず死んでこの世に別れを告げますが、特に理由も無く死んだとなれば、家族の悲しみはふだんにも増して大きいわけです。

ラザロは墓に葬られ、墓の入口には石が置かれています。これは生きている人とラザロとが切り離されている、引き裂かれていることを示しています。マルタは気丈にイエスをもてなしますが、妹のマリアは引き裂かれた悲しみに、イエスを出迎える力も残っていなかったのでしょう。悲しみの大きさ深さがうかがえます。

人と人とが死によって引き裂かれる悲しみに、イエスは向き合ってくださいます。誰もが、何もしてあげられない。この悲しみの中でイエスは希望となってくださいました。墓で人々から離されていたラザロを、イエスは呼び出すのです。「ラザロ、出て来なさい」(11・43)。

この奇跡は、出来事だけを見れば「死者を生き返らせる奇跡」ですが、もっと深い場所では人と人との絆を断ち切る最大の不幸に、希望を与える奇跡でした。イエスだけが、この奇跡を起こすことのできる方です。ですからイエスは、ご自身が希望のないところに希望を与える方であることを、誰にでも分かる形で示してくださったのです。

私たちは今、まだ解明されていない病気と闘っています。新型コロナウィルスです。治療法がないために、検査で陽性と診断されれば人々から隔離されることになります。有名な芸能人も、重症化して人工呼吸器を付けて治療を受けています。重症者の中には家族との別れも叶わずに、隔離されたまま死に至る人もいるかも知れません。

しかし全世界の人々が、この病の終息を祈っています。祈りは、人々を分け隔てている新しい病に立ち向かう力になります。今の困難の中で、私たちが一つになる力は、この世の知恵ではなく、心からの祈りなのではないでしょうか。見えない敵に、何もすることができないと思っているかも知れません。

そうではありません。人と人とを切り離している最大の試練に遭っていますが、イエスに祈ることは繋がりを取り戻す力、絆を確かめるかけがえのない方法です。今こそ、遠く離れている人、ふだん会えることが当たり前と思っている家族のために、祈ってあげてください。

イエス・キリストが分断から私たちを救い出す方です。イエス・キリストに祈ることが、人を分断から救い出し、絆を取り戻す力の源です。この機会に改めて、祈りの力を思い出し、祈る手に力を込めましょう。

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‥次の説教は‥‥
受難の主日(マタイ27:11-54)
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ちょっとひとやすみ
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▼ICレコーダーが壊れた。スライドして、隠れているUSBコネクタを引き出し、充電するタイプなのだが、あらゆるUSBタイプの充電を試したがICレコーダーを認識しない。機器として認識しないので、パソコンでのデータの取り込みもできなくなってしまった。
▼しかもそれが、黙想会の直前にやって来た。黙想会の説教を録音すれば、CDに焼くことで、あるいは音声データをネットに上げることで、黙想会に参加できない人のお役に立てる。このままでは本当に周縁にいる信者たちの手に届かなくなる。
▼ひとまず古いICレコーダーを引っ張り出した。この手の危機は新しいものがどんどん出る。新しい物好きの自分としては「何か口実を見つけて」新しい物を買いたい。古いものがまだ使えるのに今回の物を買った理由は、「古いものがいちばん良い音質では3時間しか録音できないから」だった。これを口実に、容量が2倍のものを買った。
▼たとえば司祭の黙想会は、3泊4日にわたる。これが一台のICレコーダーに入りきれないとなると、「①パソコンに録音データを避難させて空にする必要がある②録音データを避難させるノートパソコンを持っていく必要がある③重たい荷物を抱えていきたくない」こういう思いが頭をもたげる。当然買い換える口実になる。しかも前より安いと来た。
▼田平小教区の黙想会は、ひとまず古いICレコーダーで乗り切ったが、不安は解消されない。これが今回さらにICレコーダーを買う「もっともらしい口実」となった。中古で買ったがどこにも中古を思わせる様子はない。技術の革新はめざましく。古かったICレコーダーからすると今回購入したものは容量が4倍になり、容量2倍だった壊れた物よりも安かった。

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今週の1枚
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第660回目。真ん中が壊れたICレコーダー。左が購入した中古。容量は8GBある。

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† 神に感謝 †
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