蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

風の冷たい夜は

2007-03-15 21:36:16 | 蕎麦
このところ、冬型の気圧配置が続き、北風が冷たい。そんな、風が吹く中を高田馬場まで歩く。明治通りと早稲田通りの交差点の手前の路地を入る(そんなローカルな事は知らないよ、という方は読み飛ばしてください)。場所さえしっかり頭に入れておけば、それ程分りにくいこともない。


近年に、こちらに越してきた「浅野屋」さん。ビルの階段を上がったところにある。


こちらの美点のひとつは
・つまみは比較的安めで、種類がいろいろある。
ことだろう。しかし、そうなるといくつも注文したくなり、総額はそんなに安くはあがらない。「海老のあぶり揚げ」400円。干物のように味が凝集している。もっとも、海老の殻の匂いが最後まで口に残ってしまったのだが。


もうひとつの美点は「ヌキ」が表メニューに載っていること。「ヌキ」とは、温かい種物蕎麦から蕎麦をぬいたもの。深みのある汁と、種とで酒をいただくのにぴったりなのだ。「ヌキ」でそば前をやる、というのは昔からの確立した蕎麦屋での酒の飲み方なのだが、大抵のお店では「ヌキ」は裏メニューでお品書きには登場しない。そこを「じゃあ、日本酒にヌキで」なんて注文するのは、自分はそうとうな蕎麦通ですよというアピールにはなるが、いささか恥ずかしくて中々出来ない。それが、表メニューなら、大手を振って注文できる。さらに、次に表メニューに出ていないお店に行って「ヌキ」をお願いし「それ、うちではやってません。」なんて言われても、「浅野屋さんじゃーあったけどね。」と、返すことが出来る。
まあ、念願の一杯なのだが、汁が実に酒に合う。ちょっと、のけぞりモノだった。


締めは、せいろ。細打ちの、喉ゴシのよいもの。いわゆる神経の立った蕎麦では無いが、盛りもよく、気持ちよくいただけた。