蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

新潟県新井  新駒寿司

2007-03-13 22:44:48 | 寿司
前にも書いたことだが、日本海沿いの漁師町では美味しい握り寿司を出すお店が多い。もちろん、ちゃんと調べた訳ではないので、大きなことは言えないが、乏しい経験からそれらのお店の特徴として

・白身の味わいを生かすために、シャリは甘すぎず、ガリも上品
・魚の味を良く知っているからか、マグロのトロなども、ベタベタに脂がのったものではなく、赤身の味を感じさせる範囲のものを出す

という、ことがあるように思う。
一方、海近くまで山が聳えているような所もある。そして、一度、山の文化圏に入ってしまったら(特に昔は)、新鮮な海の幸なんて眼にする機会はまず皆無で、干魚くらいしか口に入らなかったらしい。
そんな海の食と山の食の境界はどこにあるのだろう、などと考えてもしょうがない事を考えてしまう習性がある。他にも、オヤマボクチつなぎの蕎麦と、フノリつなぎの蕎麦の境界とか、考え出したらきりがない。
ところが、さらに問題を複雑にする要素を見つけてしまった。文化の交流である。ここ新井の町は、日本海から高田の街を経て、だらだらと上り坂を登り、新井の山(豪雪で有名)のふもとにある。高田の朝市は有名だが、このあたりでは山の産物と、海の産物が出会う市が立ったのではないだろうか。
駅近くの商店街は、微妙な角度でクネクネと曲がり、古くからの通りであることを感じさせる。これは、なにかありそうだ、という期待感が沸いてくる。
その一画にある天麩羅屋を目指したのだが、なぜか営業していない。まあ、そこいらじゅうのお店が閉まっているのだから、これくらいの事であわててはいけないのだが、こうなると選択肢は二つに一つしかない。あやふやな記憶とカンを頼りに良さそうなお店を探すか、もっと大きな街までひとっ走りするか。まあ、15分もあれば、この町の全貌を把握できそうだったので、ゆっくり走ってみる。程なく見つけた、提灯に寿司の看板。


さて、入るかどうか。まるで知らない町の、まるで知らないお店。リスクはかなりのものだが、入ってみた。覚悟はしていたものの、お店の中は全員常連さんの様子。さらに、一人なので、カウンター以外選択肢なし。これは、結構きついが、上寿司をお願いした。左隣も、右隣も常連さん。これは、写真を撮るべきか?かなり迷ったが、どうせよそ者なら、かえって気楽と、撮らせていただいた。


うーむ、こちらは、日本海のお寿司屋さんの原則をはずれていない。巻物の海苔がパリパリ。なおかつ歯ごたえ良し。大トロ、脂きつすぎず。白身、味深し。せめて連れがいれば、もう少しつまんだのだが。お値段は格安。ただし、ガリちょっと甘め。